タイトル Kaguya~月のウサギの銀の箱舟~
レーベル 電撃文庫
第1巻発売日 2008年04月10日
既刊最新刊発売日 2009年09月10日
最新刊発売予定日
著者 鴨志田一
挿絵 葵久美子
既刊 5巻(完結)
本編 Kaguya~月のウサギの銀の箱舟~1~5
漫画化
アニメ化
その他

おきに度
燃★・萌☆ ★★★☆☆☆☆☆☆☆
笑★・シリアス☆ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ストーリ★・キャラ☆ ★★★★★★☆☆☆☆
エロ(★が多いほど↑) ★★★★★★★☆☆☆
世界 同世界近未来
恋愛
ストーリ
推移 3巻まで上昇し下降
テキスト
キャラクター
挿絵
雰囲気
独自語 多い



文章全般
この物語は……。ある能力をもった少年と、盲目の少女の物語。
主人公・真田宗太は普通とは違う、特殊能力を持っているの。
そして、そういう特殊能力を持っている子供達は纏めて
「ムーンチャイルド」って呼ばれていて、忌み嫌われていたの。
「ムーンチャイルドが起こした問題はムーンチャイルドが解決する」
特殊能力が引き起こした事件を解決する公安特課に所属する宗太は、
道端で盲目銀髪の女の子に出逢うの。
色々あって、その女の子――立花ひなたと同居する事になるの。それが、始まり。

甘くて、初々しくて、見ていられないくらいお互いを信頼し合っている宗太とひなたに注目かな。
特にひなたがとっても健気で、とっても可愛いの!
お話はSFっぽいバトルものなんだけど、
宗太とひなたの生活に描写が特化しているから、そっちに注目して見た方が良いかな。
でも、雰囲気はちょっと暗いよ。対照的って言うのかな。シリアスな中で二人が頑張る感じ。
バトルは宗太が目の見えないひなたの支援をする形だから、
普通よりも「支え合っている」って感じがして、あたしは好きかな。
救われない運命を変える戦い。お互いを幸せにしたい願い。
特に、ひなたを救ってあげたいっていう宗太の願いは、凄く感動出来るかな。
純粋に愛するっていうのは、こういうことなのかなって思うよ。
途中から、娘? のゆうひも加わって、妻子を守る主人公って雰囲気になるの。
それが良いかどうかは、諠の判断に任せるかな。
あたしは、格好良かったと思うよ。
……好きな子が幸せなら自分は忘れられても良い。こういう考え方、諠、どう思う?
あたしは、寂しい、かな。

ちょっと残念なこともあるの。 先ずは、お話自体がちょっと納得できないって言うか、
ガッカリするような方向になっちゃったこと。
宗太とひなたの恋愛だけに注目していたら気にならないかも知れないけど、
やっぱりシナリオは大事だと思うな。
風呂敷を広げすぎて、破けちゃった感じ。
もうちょっと、設定を減らして小さく纏めた方が、良かったんじゃないかなぁ。
千歳と三角関係になって、恋愛方面でお話が展開していくと思ってたから、
そういう意味でもちょっと残念。

とにかく、宗太とひなたの恋愛描写がとっても上手でとっても良いから、
そこを重点的に読んで欲しいかな。
段々……セカイ系? になって来るから、
そういうのが嫌いな場合は注意だけど、諠は好きだもんね。
盲目の女の子っていうのも、諠が好きなゲームと同じだし、諠はきっと気に入ると思うよ。

……絵を含めて、ライトノベルとしては凄くHな作品だから、
あんまり両手離しでは勧めたくないんだけどね。
そういう、Hなのが好きな訳じゃないよ?
ただこの人の書く恋愛描写が好きなだけ。……本当だからね?

とっても、Hな絵。
だけど、儚げで、甘えたがりなひなたをとっても良く表していると思う。
諠は、やっぱりこういう……幼い方が好きなのかな? 言葉がそう言ってたけど。
作品に合っている絵だとは思うんだけど、ちょっと恥ずかしくなるよ。
もうちょっと、可愛らしさを強調して、Hな感じを薄くしても良かったかな。

キャラクター
宗太とひなた、それとゆうひ以外は、あんまり、かな。
京先輩とか、つばめとか、良いキャラクターは沢山居るんだよ?
でも、圧倒的に三人の描写が多いし、何よりも重点的に書かれているの。
全員をカバーすることなんて出来ないし、したら主人公が誰だか分からなくなっちゃう。
だからこれは、仕方がない事。
でも、どうしても三人を取り巻く「NPC」っていう感じがするかな。
引き立てるだけ、って言うのかな。
もう少し、宗太に感情を吐露しても、良かったんじゃないかなぁ。
でも、そうするとひなたとの描写が今より希薄になっちゃうもんね。
難しいなぁ。

あたしが好きなのは、やっぱりひなた。
本当に健気で、本当に宗太が好きなんだなって分かる子。
お話で沢山の困難が待ち受けているんだけど、どうにかして幸せになって欲しいって、思う。
でも、宗太が隣に居ない幸せは、嫌かな。
……あたしの中で、凄く言葉と被るのが、ちょっと嫌。

雑記
このお話はタイトルから分かるように、竹取物語をモチーフにしているの。
かぐや姫は様々な貴公子に告白されても無理難題を言ってその求愛を断っちゃう。
例え、その相手が帝でも。
……これって、本当に好きな人が居なかったからなんじゃないかな。
もしあたしがかぐや姫で、地球に本当に好きな人が居たら、何をしてでも残ろうとすると思う。
ましてや、自分の事が好きだって分かってる帝に不死の薬を渡したりはしないよ。
……二度と会えないのに永遠の命を与えるなんて残酷な事、出来ない。
それとも、永遠に生きていれば、いつかは会えるって意味だったのかな?

本物のかぐや姫は、沢山の求愛を全部断って月に帰ってしまったけれど。
相思相愛。
貴公子じゃなくて普通の男の子を好きになったひなたには、地球で幸せになって欲しい。
恋が成就したかぐや姫の物語。
あたしはこの物語を、そう解釈したよ。