タイトル お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe
レーベルメディアワークス文庫
第1巻発売日2010年01月25日
既刊最新刊発売日
最新刊発売予定日
著者時雨沢恵一
挿絵黒星紅白
既刊1巻(完結)
漫画化
アニメ化
その他

おきに度
燃★・萌☆ ★★★★★☆☆☆☆☆
笑★・シリアス☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ストーリ★・キャラ☆ ★★★★★★★★★★
エロ(★が多いほど↑) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
世界 さまざま
恋愛 さまざま
ストーリ
推移
テキスト 10
キャラクター
挿絵
雰囲気
独自語 ほぼ無し



文章全般
このお話は……。うーん、何て言うのかな。
タイトルが全てを物語っているような気がする。
「お茶が運ばれてくるまでに」。
お茶を美味しくいただくには、どういう心境が一番良いと思う?
それはきっと、落ち着いた心境。
慌てながらでも無く、考えながらでも無く、怒りながらでも無く。
優雅に、上品に、風流に。
それが、お茶の香りを最も美味しく聞ける方法。
……香道じゃないから、聞くって言うのは変かな?
とにかく、喫茶店でお茶が自分の席に運ばれてくる前に、この本を手に取って欲しいの。
すると、ほら。体の重心が、お腹の少し下にくるような、安定感が生まれる。
……実際はお尻だけど、そこは、雰囲気で。ね?

お話は全部で十八編。ページ数は全部で九十一ページ。
挿絵も沢山あるし、文字も凄く少ないから、すぐに読めちゃう。
でもね、すぐに読んじゃいけないの。急いで読んじゃ、いけないの。
それはお茶を楽しむように。ゆっくりと、本の声を聞くように。

内容は全然難しくないよ。きっと誰でも理解できる。
種類も、感動できるものから感心するものまで、様々。……笑えるのは、無いけどね。
十八編もあるから、きっと最低でも一つは気に入るものがあると思う。
どんなお話かって言うと……上手く言えないけど、
ちょっと棘のある、大人びている絵本っていう感じなのかな。
難しい事は言ってないけれど、深い事を言っている。そんな感じ。
ちょっと教訓めいていたり、皮肉っていたり。少し、恐かったり。
色々な気持ちにさせてくれる、不思議な絵本。
コロコロと色々な世界に、あたしを導いてくれる。

でもね、諠。
これはあくまで「お茶が運ばれてくるまでに」読む本なの。
だから、難しく考えないで。深く追求しないで。読んだ時、感じたままに受け入れて。
その為に、短くて、抽象的で、コロコロ変わるお話なんだから。
少し読んで、ちょっと感じ入った所で丁度良くお茶が運ばれてきたら――

――ほら。いつもより、少しだけ美味しいでしょ?

雑記
諠は珈琲が好きで、言葉は緑茶が好きだよね。
あたしは、紅茶。あまーいのが、好き。
……意外かな。でも、好きな物は好き。
静かな場所で、落ち着いて紅茶をいただくだけで、とっても気持ち良くなれる。
勿論、諠や言葉と一緒に歓談しながら飲むのも、好きだよ?
お茶は、本当に良いよね。