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タイトル | そして明日の世界より―― |
ブランド | etude |
発売日 | 2007年11月22日 |
ジャンル | ADV |
対応OS | Windows2000/XP/Vista |
価格 | 8800円 |
中古相場 | ゲーム博物館(仮)へ |
原画 | 植田亮 |
シナリオ | 健速 |
音楽 | 井内舞子 |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
作品あらすじを表示/非表示
舞台は周囲を海に囲まれた、風光明媚な小さな島。 そんな静かな島で、主人公葦野昴は幼馴染や親友たちと共に静かな学園生活を送っていた。 そんなある日突然、恐ろしいニュースが飛び込んでくる。 「―この地球に3ヵ月後、小惑星が衝突し、世界は終焉する」 突然の世界の終焉を目前に、彼らは何を想い、何を得られるのだろうか? そして彼らの運命は…? 大切な時間、大切な場所を守りたかった人たちのお話。 |
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ヒロイン紹介 | |
日向夕陽(安玖深音) 昴の同い年の幼馴染であり、隣の家に住む少女。 昴を「がんちゃん」と呼んで甘えてくる。 母親を小学生のころに亡くしており、現在は姉の朝陽・父親の陽との3人暮らしである。 夢は昴のお嫁さんになること。 葦野家と日向家は窓を隔てて自由に行き来できるため、葦野家にいることも多い。 葦野家には夕陽用の部屋まである。 昔はお母さんっ子で、 昴や朝陽と一緒に遊んでいるときも、ひかりが来るとすぐに駆け寄っていくほどだった。 極端に「さようなら」などの別れの挨拶を嫌う。 天才肌で、やればスポーツでも勉学でも出来るというタイプであり、 練習を積んでいる青葉よりも足が速い。 にも関わらず、昴が興味のあることしかやらず昴の真似しかしないので宝の持ち腐れとなっている。 世界が終わるとしても昴が近くにいることは変わらないから、として、 世界の終わりに対する動揺からはいち早く立ち直っている。 |
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日向朝陽(岡本あさひ) 夕陽の4つ年上の姉。今年から昴たちの通う学園で英語教師をすることになる。 昴からは「朝陽姉ちゃん」と呼ばれて慕われている。 優しい性格で生徒たちからも好かれている。 いわゆる完璧な女性だが、唯一の欠点が運動音痴であること。 運動不足のためか、無駄なお肉がついてきたことを夕陽にいじられている。昴の初恋の女性でもある。 |
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樹青葉(青山ゆかり) 昴のクラスメートで親友という少女。 父親と兄二人の男家庭で育ったためか、男っぽい性格になってしまった。 陸上の選手として、秋の大会に向けて練習に励んでいる。 小学生のころに島に引っ越してきて、 同年代の遊び友達が夕陽以外にいなかった昴にとって初めての親友と呼べる存在となった。 両親は離婚しているが、ある理由で母親を憎んでいる。 また、普段ポニーテールにしている髪を下ろすと母親そっくりになってしまうため、 自分の容姿に複雑な感情を抱いており、特にその姿を昴に見られることを嫌がる。 競走で夕陽に勝つことを目標としていたが、世界の終わりによって叶わなくなる。 そのために動揺は最も激しく、塞ぎ込んで無気力となってしまう。 |
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水守御波(夢篠さなぎ) 今年の春、昴たちのクラスに転校してきた少女。 病弱でおとなしい性格。天文学者の父の薦めで、空気のきれいな島に引っ越してきた。 読書が趣味で学園の図書委員もしている。 愛読書はブレーズ・パスカルの雑想録『パンセ』と『キリスト教聖書』。 両親は離婚している (夫婦仲の問題ではなく、母親が体の弱い御波を産んだことを周囲に非難されたため)。 病弱であるが運動能力は朝陽を上回り、好奇心の強い一面も持っている。 意外に野球の才能があり、サブマリン投法の使い手である。反面、歌うことは苦手らしい。 当初は人と距離を置いた人付き合いをしていたが、 昴から友達だと言われたことで次第に彼を恋い慕うようになる。 昴の冗談などに呼応する形で「好き」と繰り返し告げるが、 当の本人からは冗談と思われることが多い。 世界の終わりについては、自分の死を恐れていないため最初は殆ど混乱を見せない。 むしろ寿命が定まったことで楽になったらしく、昴に対するアプローチは積極的になるが、 一方で危なっかしいことを繰り返すので見ている昴としては気が気でない。 |
購入動機 『OPを見て即決』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
8/10 | 8/10 | 9/10 | 7/10 | 9/10 | 10/10 | 8/10 | 9/10 |
お気に入りキャラ 水守御波 |
序 | |
主さまっ! | |
言葉? | |
……あれ、紗綾さん? 主さまはどこですか? | |
諠なら、晩御飯のお買い物に行ったけど。どうかしたの? | |
……いえ、なんでもありません | |
何でも無いって顔じゃないよ。あたしには、言えない事? | |
…………紗綾さん | |
何? | |
世界が、あと、三か月でなくなっちゃうとしたら、どうしますか? | |
……言葉、きっと疲れて―― | |
ふ……ふえぇええええええん! わたしそんなの嫌ですぅうううう!! | |
…………どうしよう | |
暗転 | |
えーと、これは何がどうなってるの? | |
あたしもよく分からないんだけど、言葉がいきなり泣き出しちゃって。 今は眠ってるけど、さっきまで凄かったんだから。 |
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何か言ってた? | |
うーん、『世界が三か月で終わる』って言ってたかな | |
……ああ、大体分かった。僕に任せてくれて大丈夫だよ | |
うん、分かった。……そういえば、言葉も諠に言いたい事があったみたいだよ | |
……そっか、ありがとう。橋姫が台所に居るはずだから、手伝ってくれるかな? | |
うん。……言葉をよろしくね? | |
了解 | |
暗転 | |
う……、ん | |
このちゃん、起きた? | |
あ、主さま……。…………主さまっ!? | |
はい、何でしょう | |
主さま、いつの間に帰って……。あれ? わたし眠って……? | |
うん、取り敢えず落ち着こうか、このちゃん | |
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文章全般について | |
えーっと。 多分、さーやから聞いた感じだと 『そして明日の世界より――』をやったんじゃないかと思うんだけど |
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……はい、そうです | |
どう感じた? | |
……わたし、最後はハッピーエンドなんだと思ってました。 でも、そうじゃなかったです。だから、ショックでした。 |
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ふむ。ハッピーエンドじゃなかったっけ? | |
世界が滅亡しちゃうんですよ!? | |
でも、皆笑ってなかった? それって、皆幸せって意味だよね | |
それは……。でも、こんなの悲しすぎます | |
うーん、どうもこのちゃんは結果を重視し過ぎているみたいだね | |
……どういうことですか? | |
確かに普通の作品は、未来へ続く感じで終わるよね。 それに比べてこれは、最初から結果が分かっている。 だったら、結果じゃなくて過程を楽しむべきだと思うんだけど。 |
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過程、ですか? | |
うん、過程。 『終末を前にしてこの人たちは、どうやって生きて来たんだろう』っていう描写。 結果的には終末を迎えるけど、その『生きてきた内容』って大事だと思わない? というかそれが無意味だったら生きてきた価値が無いよね。 結果的には遅かれ早かれ皆等しく死ぬんだから。 |
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…………だから、その過程を見ると、みんな幸せそうだった、ということですか? | |
最終的には、ね。絶望からそこに持って行く過程を見る作品だと思うよ、これは | |
……そうですね。そう思うと、ちょっと楽になりました | |
それは何より。でもまあこの作品、いくつか欠点はあるんだけどね | |
ほぇ? | |
滅亡のニュースが流れるまで、退屈じゃなかった? | |
あ、はい。すっごく退屈でした! ……なんであんなにつまらない感じにしたのでしょう? |
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多分、後半と対比させる為じゃないかな。 前半は詰まらないけれど、『ザ・日常』って感じだったでしょ? その日常の尊さを後半で伝える為に、極力普通っぽくした結果があれなんだと思うよ。 毎日特別な事が起こる訳じゃないでしょ? |
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……なるほどー。そう考えると、意味があるように感じます | |
まあそこまで考える人ってあまり居ないし、実際に詰まらないから難しい所なんだけどね。 終末ゲーの弊害かな。後は―― |
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ほかにも欠点があるのですか? | |
欠点かは分からないけどね。この作品、凄く綺麗だと感じなかった? | |
はい。たぶん、今までやってきた中で一番綺麗だったと思います。 ……でも、それが欠点とどう関係するのですか? |
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何て言うのかな。綺麗過ぎるんだよね。それが、欠点 | |
……意味がよくわからないです | |
じゃあ、普通は世界が滅亡するって聞いて、皆こんな風に居られると思う? | |
……わたしは、無理です。 きっと、生きのこるためにもっとひどいことをしちゃうと思います |
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うん、それが普通だよね。でも、この世界ではそれがない。 あるのかも知れないけど、描写が無い。 つまり、綺麗過ぎるの。綺麗過ぎて、現実味が無い。 だから、どうにも感情移入しにくいんだよね。それが、欠点。 |
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……綺麗なことが、欠点 | |
まあ全体を『綺麗』で統一しているから欠点とは言いにくいけどね。 それによって弊害が生じているのは確かだよ。 |
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イラストなどについて | |
原画は、植田亮だね。この人はこういう淡い色彩がとっても上手いと思うよ。 | |
はい。なんだか、後半の不安でおぼろ気な感じにピッタリだと思いました | |
朧気なんてよく知ってたね。えらいえらい | |
ふふー。勉強してますから! | |
このちゃんのに付け足す感じになっちゃうけど、 この作品の人たちは芯はしっかりしてるんだよね。 その根底の部分も、しっかり表していると思うよ。 |
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音楽、歌などについて | |
OP曲「For our days」 ED曲「return to that place」「散歩道」「Kiss」 「夕空ワルツ」「Never end」「Amazing Grace」 |
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音楽は物静かな物が多いよね。落ち着いてるというか | |
なんだか、聴いていて情景が思い浮かぶようなのが多かったです | |
好きな曲とかあるの? | |
はいっ! 『はてなき想い』が好きです! | |
おお、曲名を調べているとは | |
ふふー。主さまはどうなのですか? | |
僕? 僕はOPが一番好きかな。歌詞も合っていたし | |
あー、たしかに、そうです。……あ、ところで『あめーじんぐぐれいす』ってなんですか? | |
キリスト教の賛美歌だよ。そういえばこの作品では結構取り上げられてたね | |
さんびか……。主さま、聴いたらとけちゃったりしないのですか? | |
いや、悪魔じゃないんだから。宗教違うくらいでそんな特殊効果は無いよ | |
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キャラクターについて | |
キャラはそんなに個性的な訳じゃないよね | |
そうですね。なんていうか、普通な感じでした。 ……もしかして、主さまがいってた対比と関係あるのでしょうか? |
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さてどうかな。日常との対比っていうよりも雰囲気を壊さない為って感じがするけど。 しかし、普通な割に精神力だけは物凄かったよね。 |
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……たしかに、普通はたえられないですよね。ところで―― | |
僕が好きなキャラ? 御波だけどそれが何か? | |
……まだ、なにもいってないです。 でも、主さまが臆面もなくロリキャラを選ぶなんて、珍しいですね |
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外見よりも内面に魅かれたんだけどね。外見も結構好きだけど | |
…………主さまは、やっぱり病弱な子が好きなのですか? | |
なんか昔も聞かれた気がするなあ。まあ、どちらかというと好きではあるよ。 | |
……実はわたし、あと一週間の命で―― | |
『ピアノの森の満開の下』みたいだね。というかこのちゃんが病弱だったら嫌だよ | |
なんでですか? | |
それは、ほら。心配だし、苦しんでいるのを見るの、悲しいじゃない | |
……ねぇ、主さま。もし三ヶ月後に世界が滅亡するとしたら、側にいてくれますか? | |
勿論。最期までこのちゃんの側に居るよ | |
わたしだけの側にいてくれますか? | |
それは、無理かな。さーやや橋姫も側に居なきゃダメだよ | |
……なんでですか | |
じゃあ質問なんだけど。さーやや橋姫が居なくなったら悲しくない? | |
……それは、悲しいですけど | |
そうでしょ? 僕も悲しいよ。きっと二人も悲しいと感じてくれるんじゃないかな。 そんな二人を見捨てて来た人と、本当に最期に一緒に居たい? このちゃんは。 |
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………………主さまぁ。 | |
……今日のこのちゃんは涙脆いねえ | |
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ひとこと | |
今は値上がりしているみたいだね | |