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タイトル | 秋空に舞うコンフェティ |
ブランド | etude |
発売日 | 2010年08月27日 |
ジャンル | ADV |
対応OS | Windows2000/XP/Vista |
価格 | 8800円 |
中古相場 | 980円 |
原画 | 植田リョウ |
シナリオ | 若瀬諒 |
音楽 | 菊池創(eufonius) |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
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「始まりは雨の日の出会い、そして一冊のノート——」
樹々が黄や紅に染まる秋。 俺——秋津隼人は、一人の少女と出会った。 夜長に降り始めた雨の中、傘も差さず佇んでいた少女。 少女が落としたものと思われる一冊のノートを手にした時から、 俺の平凡な生活は少しずつ変わり始めた。 ノートの持ち主を探し、廃部寸前の演劇部へと訪れた俺。 その俺が見たのは、個性的な演劇部の面々だった。 雨の日に出会った少女、ぐーたら脚本家で、気が抜けると人外の垂れ生物になる先輩・安藤沙夜。 真面目で大人しいと思っていたクラスメイトの上城雪は、 リボンを付け替えるだけでガラッと性格の変わる超演技派体質。 七海姉——佐倉七海部長は、天然ボケとおっとりの度合いがだいぶ激しすぎるお隣さん。 そして、学園の屋上で何故か行き倒れていた少女・奏衣。 変わった演劇部の面々+1名に囲まれて。 気づけば俺は、演劇部再建のために演劇部に入部し ——そして、いきなり主役の片方を任されることになる。 地元に伝わる、とある都市伝説を題材とした、オリジナルの演目。 沙夜先輩の書くその演目には、確かに俺も興味を惹かれて—— 慣れない練習に、俺を振り回す声、 日々、深まる秋の気配に包まれて、 大して気にも止めなかったモノクロの世界が、 緩やかに彩られてゆく。 彼女たちとの関わりの中で—— 秋雨の幕があがる頃、俺は——俺たちは、いったい、どんな景色の中にいるだろうか—— |
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ヒロイン紹介 | |
奏衣(鈴田美夜子) 学園の屋上で行き倒れていたところを隼人に救われた、迷子少女。 自称、記憶喪失。見捨てられずに拾ったのが運の尽きで、隼人の部屋の居候になる。 人懐っこく、言われたことは何でもかんでもすぐ信じる。純粋だが、お馬鹿っ娘。 隼人とは、ほぼ 保護者と被保護者の関係。 時折、年不相応な哀しげな顔をすることも—— |
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安藤沙夜(真中海) 隼人が雨の日に出会った、憂えた顔をした神秘的な少女。 しかし再会した時には別人——いや、別のせーぶつと化していた。 真面目な時や寝ている時はそこそこ美少女だが、垂れた時はもはや人外。 演劇部の先輩で、横暴脚本家にして演出家にして舞台監督。 演劇部の実質的なリーダーだが、やる気の無い時は垂れて使い物にならない。 学園祭に向けて、依山の伝説を題材とした一本の脚本を書くことになるが…… |
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上城雪(須寺すばる) 隼人のクラスメイトで、演劇部部員。 男性が苦手で普通に話すことも出来ないが、何故か唯一の例外が隼人で、 自分から話しかけたり会話出来る程度には心を開いている。 普段は大人しく人当たりのいい優等生だが、 リボンに応じて甘えん坊になったり元気っ娘になったりと、 性格が変わってしまう難儀な特技(?)を持つ。 |
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佐倉七海(澤田なつ) 隼人の住むアパートの管理人さん代理で、おっとり天然ドジっ子お姉さん。 余った食事をお裾分けしに来てくれたりと、なにかと隼人に優しくしてくれる。 沙夜とは子供の頃から親友で、同じ演劇部に所属。 大好きな演劇も、演劇部も無くさないよう、廃部を防ぐために奔走している。 演劇部の数少ない常識人。ただ、時々振り回す側に入っていることに自分でも気付いてない。 |
購入動機 『etude買い』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
7/10 | 8/10 | 7/10 | 9/10 | 7/10 | 8/10 | 9/10 | 9/10 |
お気に入りキャラ 佐倉七海、二ノ宮遥、秋津こずえ |
序 | |
お兄ちゃん、起きてください。お兄ちゃんっ! | |
……。………………。 | |
どうかしましたか? お兄ちゃん。 | |
こういう時、どんな顔すれば良いか分からないの。 | |
喜べばいいと思いますよ? | |
全然嬉しくありませんよ!? | |
えっ!? ……主さまには、そういう属性はなかったんですね。 | |
……うん、全く状況はつかめないんだけど、取り敢えず元に戻ってください。 | |
あい。……もどりました。 | |
ネコミミ外しただけですけどね、このにゃん。 | |
このにゃんいわないでください。 | |
というか、何故妹なのにネコミミ。 | |
もし主さまにネコミミ属性があったらー、……倍かと思いまして。 | |
何が!? いやもう何がというより何なの!? | |
ひぅ。……もさくちゅうです。 | |
模索中? 何を。 | |
えっと、色々、です。 | |
何の影響? | |
ほぇ? ……ぬ、主さまじゃないんですから、そんな。 | |
何の影響? | |
……これです。 | |
素直でよろしい。……え、『秋空に舞うコンフェティ』? 今のこのちゃんの奇行と全然結びつかないような気がするんですけど。 |
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むー。奇行じゃないです。 それに、これはなやんでいた時にアイディアを探すためにやったんです。 だから直接の理由、というわけじゃないです。 |
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悩んでいた? 何をさ。僕でよければ力になるけど。 | |
…………。じゃあ、これについてお話したいです。 | |
え、まあ別に良いけど。そんなんで解決するの? | |
……なやんでる原因なんですから、あたり前です。 | |
は? | |
なんでもないです。さあ、話しましょーっ! | |
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文章全般について | |
主人公は一人暮らし。 おなかすいたな、ということで近所のコンビニへお弁当を買いに行きます。 その帰り道、雨が降っているのにボーっと立っている女の子に逢うんです。 |
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……。 | |
どこか神秘的な感じのする女の子でしたが、びしょぬれだったので無理矢理傘を渡します。 すると、ちょっと目を離したすきに居なくなってしまいました。 変だな、と思って女の子がいた場所を見ると、一冊のノートが。 それが、お話のはじまりです。 |
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……いや、うん。知ってるんだけど。 | |
たまにはいってみたかったんです。 | |
ふむ。じゃあ僕は聞き役になれば良いかな。 | |
ヤ、です。一緒にお話してください。 | |
……あそう。じゃあまあ、取り敢えずこのちゃんの話から聞こうか。 | |
あい。えっと、これは「演劇」と「神話」がテーマの作品なんです。 主人公は色々あって、廃部寸前の演劇部に入部します。 そこで、町の神話を元にした、オリジナルの演劇を発表する為に練習するんです。 |
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ん、そうだね。このちゃんの感想としては、どうだった? | |
楽しかったです。 | |
うんうん、そうだね。……ってコラ。 | |
あぅ。……だって、神話の話がよくわからなかったんです。 日常会話がとか、盛り上がるシーンとかは、すごくよかったんですけど。 |
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ああ、まあ確かにキャラクターのノリが凄く良かったし返しも文章としてかなり上手かったし、 それでいて感動的なシーンはエフェクトと絵も相まって雰囲気が凄い出てたしね。 うん、それだけで楽しめるかも知れないですけど、神話が分からないと勿体無いと思うよ。 |
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……おしえてください。 | |
ふむ。先ず大事なのは「概念」と「荒御魂/幸御魂」だね。 | |
……がいねん? | |
例えば、明確な根拠が無い神が居るとして、 昔は良い神として知られていたけれど今は悪い神として知られている。 この場合、その神は悪い神に変化しちゃうんだよ。 人には見えないものだから噂なんかでいくらでも変化しちゃう。 その神自身も、もう自分が何なのかわからなくなるくらいにね。 |
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……それって、すごくこわいです。 | |
ま、ね。嘘でも信じている人の方が多かったらそっちになるんだから。 | |
……主さまも、変わってしまうんですか? | |
僕はまあ、例外かな。人に知られていないから。 地方の小さな神なんかにあることだよ。 |
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……よかったです。…………えと、あとのは? | |
んー、これは神にも両面性というか感情みたいなものがあるってこと。 別々に祭られていて、同じ名前でも二柱居たりするの。まあ僕は僕だけれど。 |
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…………? | |
ああ、無理に理解しようとしなくて良いから。ただ何となく「そんな感じ」程度で。 | |
んぅー。……はい。なんとなく、わかりました。 | |
うん、それで良いんだよ。 | |
……えと、主さまはどう思いましたか? この作品。 | |
僕? ……そうだねぇ。大体良かったと思うけれど、山場が盛り上がりに欠けたのと、 構成の仕方を間違えている感じがするのとが気になったかな。 |
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……構成の仕方? | |
さっきこのちゃんが言ったように、この作品は「演劇」と「神話」との二つのテーマがある。 基本的に演劇で解決しようとするんだけど、一つだけ違うシナリオがあるの。 |
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……奏衣? | |
そう。問題の当事者である上に演劇には参加しない奏衣のシナリオだけ、中途半端なの。 二兎追って失敗した感じで、盛り上がりに欠ける上に話も全体は見えない。 メインヒロインなのにね。 |
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……そういえば、そうかもしれません。 | |
だから、奏衣をTrueシナリオ扱いにして神話系の話だけにする。 他のヒロインは演劇の話だけにする。 こうした方が分かりやすかったんじゃないかなって思うよ。 これだと奏衣が他のヒロインのシナリオに負けてる。 |
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……なんとなく、それと逆な話を聞いた事がある気がします。 | |
ああ、『巫女舞』でしょう? あれは逆にTrueが無い方が良かったね。 ホントに、どっちも惜しい感じがするよ。 |
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でも、この作品、主さま好きなんですよね? | |
うん。すっごく丁寧に作られたって感じが作品の随所から感じられるし、 何だかんだで「甘い」しね。「ぬるい」って思う人も居そうだけど、僕は好きだよ。 |
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イラストなどについて | |
ただ、心残りなのは、絵だね。 | |
……なんとなく、変ですよね。 | |
うん。顔のバランスとか、色々。縦長になったのが一番気になるかな。 | |
やっぱり、小さい方がいいんですよねっ! | |
そういう訳じゃないから。元々小さいキャラが上手だったけれど、 なんだか今回は不自然に伸ばしたような感じを受けるんだよ。 |
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でも、下手じゃないんですよね? | |
うん。なんか変なんだけど、背景も色も良いし、作画が崩れている訳でも無い。 | |
……んぅー。なんだかもやもやします。 | |
うーん。方向性が変わったとしか言えないかなあ。割り切ろう。 | |
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音楽、歌などについて | |
OP『コンフェティ』 ED『エピローグ』 | |
僕が一番満足したのは音楽だね。 丁寧に作り込まれた作品を、本当によく引きだしていると思う。 |
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たしかに……よかったですね。 | |
ん。基本的に明るい曲調なものが多いんだけど、作品の大人しい雰囲気を壊さない。 そして何より「品が良い」曲が多いね。こう、礼儀正しいというか。 |
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……曲に礼儀正しいとか、あるんですか? | |
だから、そんな感じがするってだけだよ。 明るい曲も良いけれどしっとりとした曲も良い。 空高い秋の陽射しの下、紅葉を踏みしめ木陰を歩く。そんな感じをイメージするよ。 |
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キャラクターについて | |
それで、どのキャラが好きなのですか、お兄ちゃん? | |
……ああ、そういう事か。 梢って言えば満足なんだろうけれど、違うよ。 まあ確かに梢も好きなキャラではあるけれど。 |
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……じゃあ、なにが好きなのですか? | |
うわあ。あからさまに不機嫌になりましたね言葉さん。 まあ好きなキャラは二ノ宮さん |
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……ふーん。 | |
と叶だよ。 | |
わたしは主さまを信じていましたっ! | |
はいはい。あと萌先生も好きかなあ。 ……にしても、全部シナリオが無いヒロインだなあ。 |
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ヒロインは、好きじゃないのですか? | |
率先して違う方に誘導したのはどこの誰ですか。 んー、別に嫌いって訳じゃないんだけど、うん。 |
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……なにか理由があるのですか? | |
んー、声優が合ってないんだよねえ。特に沙夜の声が。 七海は合ってるんだけど……。 なんていうか、全体的に声優さんがキャラの演劇をしているように感じるっていうか。 |
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…………あー。なんとなく、わかります。 なんていうか、そのままっていうか。 |
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ん、そんな感じ。だからあまりキャラとして見られなかったんだよねえ。 勿論、脇キャラが光っていた、というのもあるけれど。 |
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じゃあ、そのキャラのシナリオがあれば良いのに、ってことですか? | |
いや、そういう訳じゃないよ。脇役だから光って見えるっていう事もあるし。 まあそんな訳で、僕としては脇キャラを推したいかな。 ……で。なんであんな事したのかな、このちゃん。 |
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……だって、最近こういうお話してなかったから、さみしかったんです。 | |
…………それとあれとどういう関連性があるのか全く分からないんだけど。 | |
キャラ変えたら、構ってくれるかなって。 | |
……あのね。別にこのちゃんに飽きたとかそういう訳じゃないですよ? というか飽きません。絶対。 ……しかし、そうか。確かにこういう風に話す事って最近無かったね。 |
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はい。 | |
じゃあ、今日は一緒に色々話そうか。 ほら、こっちおいで。 |
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……ふふー。はいっ! | |
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ひとこと | |
秋の静かな雰囲気が、ホントに良い作品だね。 | |