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バナー無し | |
タイトル | 水月 |
ブランド | F&C FC01 ![]() |
発売日 | 2002年04月26日 |
パッケージリニューアル版 2007年10月26日 | |
ジャンル | NVL |
対応OS | Windows98/2000/Me/XP |
価格 | 8800円 |
パッケージリニューアル版 6800円 | |
中古相場 | ゲーム博物館(仮)へ |
パッケージリニューアル版 ゲーム博物館(仮)へ | |
原画 | ☆画野朗 |
シナリオ | トノイケダイスケ |
音楽 | おおくまけんいち |
ボイス | 無(コンシューマ版では有) |
FD | 有 |
全年齢版 | 有 |
作品あらすじを表示/非表示
梅雨明け、蒸し暑い昼下がりに『僕』は目覚めた。 記憶喪失――何もかもを失って。
混乱、そしてすがる過去がない事の恐怖。 闇夜に怯え、震える『僕』を救ってくれたのは、 自分のメイドを名乗る少女、琴乃宮雪。 そして友人たち――宮代花梨、新城和泉、大和庄一。 優しい人たちに囲まれて『記憶喪失の自分』の新しい生活が始まった。 それは、どこかぎこちなくも優しい時間。 『僕』はそんな時間に幸せなものすら見出し始める。 けれども、目覚めたその日から続く悪夢だけは変わることなく『僕』を苦しめ続けた。 夢の中には少女がいた。 色素の欠けた白い肌と赤みがかった瞳。 そして、闇夜を呑み込んで、なお黒光りする髪。 数週間後の七夕の晩、『僕』が出会う美しい人。 牧野那波―― それが、毎夜のように『僕』が射抜き殺し続ける少女の名前だった。 |
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ヒロイン紹介 | |
牧野那波 主人公のクラスメート。 長く美しい黒髪、真っ白な肌が印象的な美少女。 線が細く、見た目の印象通りやや体が弱い。また、視力を失っている――が、 それを感じさせないような行動ばかりを取るため周囲の人間から不思議がられている。 加えて、夢に現れる少女と酷似している事、すべてを見通したような不可思議な言動を操る事、 妙に好意的な態度を取る事などが重なり、記憶喪失の主人公を大いに混乱させてくれる。 |
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琴乃宮雪 (自称)主人公専属のメイドさん。 住み込みで働いていて、家族同然の存在であるにもかかわらず、 本人はメイドである事にこだわりを持っている妙な子。 そんな彼女に主人公も最初は戸惑うのだが―― 美人、性格良し、仕事は完璧、と頼りになるため、結局、主人公も彼女に甘えてしまい、 暗黙のうちにメイドとしての立場を確立してしまう。余裕ある大人の女性といった風だが、 主人公への一途さゆえか、妙に意固地になったりすることも…。 |
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宮代花梨 主人公の幼なじみ。また、新城和泉の大親友。良く言えばおおらか、悪く言えばがさつな性格。 勉強は苦手、運動は得意とわかりやすい子で、特に昔から主人公と共に続けてきた弓道が得意。 主人公とのつき合いは現在も深く、クラスも部活も一緒で、その兼ね合いから行き帰りも一緒と、 家の外ではほとんど一緒にいる感がある。 そんなふたりは、いわゆるツーカーの仲――だったのだが… 主人公が記憶喪失になった事で歯車が狂い、二人の間には今までにない戸惑いが生じている。 |
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新城和泉 主人公、花梨の共通の親友でクラスメート。特に花梨とは頭に『大』がつくほどの親友。 どこを取っても花梨とはまるで正反対の女の子で、 運動音痴で勉強が大得意。 性格はのんびりおっとり。にこにこの笑顔で周囲をなごませてくれる。 常識人で気の優しい子なので、妙な子に囲まれた主人公にとって、 ある種の拠り所なのだが――少しばかりのんびりし過ぎているのか、 和泉も走れば石につまずく、と言わしめるほどにドジ。そのため、あまり頼りにはならない…。 |
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香坂アリス 香坂マリア 近所の教会に住む双子の姉妹。仲のいい姉妹だが中身は正反対。 姉のアリスは大人っぽくキツイ性格。 妹のマリアは子供っぽい優しい性格。 理知的かつ厳しい物言いのアリスがペースを握っているように見えるが、 実のところ最後には、マリアが「おねえちゃぁぁん」とベソをかき、 仕方なくアリスが折れて話がまとまるというパターンが多い。 主人公と二人のやりとりがその典型で、 大抵、悪態をつくアリス、笑顔のマリア、板挟みに遭う主人公という具合になってしまう。 |
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大和鈴蘭 主人公の親友・庄一の妹。自分のことを『ボク』と言い、とにかく元気で明るく、活発な女の子。 実兄の庄一の事を『庄ちゃん』と呼び、主人公の事は『透矢ちゃん』と呼んでいる。 主人公の事が、好きで好きでたまらないって感じが全身から溢れ出していて、 時々、周りの状況を考えないで行動してしまうことがある。 |
購入動機『「さくらむすび」をやって』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
8/10 | 10/10 | 10/10 | 10/10 | 8/10 | 9/10 | 7/10 | 10/10 |
お気に入りキャラ 牧野那波、琴乃宮雪 | |||||||
参考 牧野那波シナリオ解釈 |
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序 |
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あれ? 主さま、おでかけですか? |
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ん。ちょっと人に会いにね。 |
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人? ……どなたに? |
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ナナミ様と、雪さん。 |
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ナナミ様? どこかの神さまですか? |
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うん、まあね。ちょっと約束してて。 |
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主さま、最近ずっといらっしゃった気がしますけど……いつの間に? |
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夢で。 |
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夢!? 主さま、どこへ行くつもりなんですか!? |
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どこって、マヨイガに決まってるじゃない。そこにいるって記述があるんだから。 |
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……記述って、なににですか? |
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これ。 |
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ゲーム!? 主さま、ナナミさまと雪さんってゲームの中の人ですか!? |
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何言ってるの。違うよ。 |
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……そ、そうですよね。さすがに違いますよね。 |
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ナナミ様と雪さんは、本当に居るんだよ。 だから、探しに行かなきゃ。僕を待っているはずだから。 |
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紗綾さーん!! 主さまが、主さまが――!! |
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暗転 |
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ご迷惑をおかけしました。 |
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あはは。言葉が泣き喚いて来た時は何事かと思ったけど、元に戻って良かった。 |
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んー、寝不足だったからなあ。 三日寝てなかったんだけど、そのまま癒されようと思ってゲームをやったら、段々意識が。 |
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気をつけなきゃ。心配したんだからね? 特に、さっきから諠から離れない言葉が。 |
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…………。 |
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ん。ごめんね、このちゃん。だからそろそろ離れ―― |
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ヤ。 |
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……いや、うん。でもずっとこうしている訳にも。 このままこのちゃん抱えて行動する訳にもいかないし。だから―― |
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ヤ。 |
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…………。 |
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あはは。そんな目で見つめられてもあたしには何も出来ないよ。 償いだと思って気の済むまで好きにさせたらどうかな? |
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……まあ、そうするしかないか。よしよし。 ……このちゃん、相変わらずさらっさらな髪をしてるねえ。 |
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……んっ。 |
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おっと。……さて、どうしようか。暇なんだけど。 |
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だったら、そのゲームの内容を聞きたいな。 あんな状態になるくらいなんだから、好きなんでしょう? |
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うん。PCゲームでは一番好きかな。……じゃあ、その話をしようか。 ちょっとそこの箱取ってくれる? |
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文章全般について |
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はい、このちゃん。此処に居ても良いからちょっと逆向こうか。 そうさーやと向き合うような感じで……よいしょ。ああ、抱えやすい。ぎゅーっ。 |
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……ふふー。 |
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…………あたし、邪魔? |
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や、そんな事は。むしろ居てください。 さってと、ゲームの内容だったね。まずそのゲームとは、これです。 |
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みつき。 |
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その女を攻略するのですか。 |
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音読み! |
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すいげつ? |
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その女を攻略するのですか。 |
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そんな人名聞いたこと無いよっていうか何言ってもそう言うでしょう、このちゃん! |
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あぅ。 |
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どんなお話なの、諠。 |
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ん。先ず、夢を見るんだ。 |
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夢? |
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そう。お姫様のような、巫女さんのような装束を纏った女の人を弓で射殺する夢。 射たくないと思っても射るしか無いし、女の人もそれを望んでいる。そんな夢。 |
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……うん。それで? |
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で、起きると病院の病室に居るんだ。なんで病室にいるのか、主人公にはわからない。 すると、一人の女性が入って来る。主人公はその人が誰かわからない。 |
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勝手に入って来たって事? |
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いや、向こうは主人公を誰より大切にしているし、 主人公が居れば他には何も要らないっていうような人。 |
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ストーカー!? |
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……うん、確かに今の説明だけだとそう聞こえてもおかしくないね。 でも、違う。変なのは主人公の方なんだ。記憶喪失なんだよ。 |
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……きおく、そーしつ。 |
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そ。その後主人公の友達が来るんだけど、やっぱりわからない。 後は他の記憶喪失ものの作品と同じで、皆に手伝ってもらいながら日常生活を送りつつ、 記憶を取り戻そうとする話。 |
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……なんだか、主さまが大好きっていう割には普通の内容です。 |
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そこは話のメインじゃないからね。 |
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ほぇ? |
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主人公が夢で射殺した女の人と同じ顔をした少女が居たんだよ。 牧野那波っていう、盲目で病弱な少女。 |
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ナナミ……。主さまが探しに行こうとしていた人ですか。 |
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う。……いや、正確には違うんだけど、まあ今は良いや。 そのナナミっていうのは主人公達の町、那波町の氏神なんだ。 だから、夢で見たのもそのナナミ様なんじゃないかって思う。 |
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……なんでそんな夢を見たのでしょう。 |
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さてね。それを探るのがお話のメインって感じだし。 ……ホントは違うのだけど。 |
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そうなの? |
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うん。……この話は、とっても難しいんだよ。 そして、それを考えるのが楽しいとも言える。 キーワードは、『夢』と『山の民』、それと『マヨイガ』だね。 |
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夢はわかりますけど……後のはわかんないです。 |
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どっちも『遠野物語』に出てくるよね。 |
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とーのものがたり? |
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柳田國男っていう人が岩手県遠野で聞いた、昔話を纏めた本だよ。 その中に、どっちも出てきた気がする。 |
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流石さーや。良く知ってるね。 |
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ふふ。……だけど、これがどう関係してくるの? |
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このゲームに於いて、山の民っていうのは、地上の人間とは違う存在。 そして、それらはマヨイガからやってくる。 けれど山の民は地上では存在してはならない存在。だからその存在はとても曖昧。 で、ヒロインの中に、その山の民が居るんだよ。 |
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……何か、問題なの? |
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曖昧だって言ったでしょう? その存在はまるで夢のよう。 だから、存在を保っていられない。それはまるで夢と現実の狭間を揺蕩うよう。 |
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……紗綾さん。主さまがいきなり難しいことをいい始めました。 |
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しっ。今、良い所なんだと思うから黙って聞いてなきゃ。 |
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聞こえてるよ! ……とにかくね。夢を行ったり来たりするんだ。 ある夢では大切な人が居ないかもしれない。死んでしまっているかもしれない。 どれが現実でどれが夢なのか。最初に居た場所は、目覚めた場所は夢なのか現実なのか。 あるシナリオでは、いかにして現実を変えることが出来るか。 あるシナリオでは、自分はどれを現実だと受け入れるのか。まあそんな内容だよ。 |
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……難しそうです。というかわざと難しくいってませんか? |
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いいや、ホントに難しい内容なんだよ。深く考えれば、だけど。 とても曖昧なシナリオだから、いくらでも解釈が出来ちゃう。 タイトルを見れば、わかる通りね。 |
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水月ですか? |
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そ。水月とは水に映った月の事。月はそこにあるようで、無い。 手の届きそうな場所にあるようで、実際は決して手の届かない場所にある。 水がある限り月は増え、可能性の数だけ夢は増える。 |
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……でも、いくら増えても本物は無いんじゃないの? |
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水月だったら、そうだね。いくら増えても水は水。 だけどね、さーや。未来は必ず一つあるんだよ。 その代わりどれだけ可能性が増えようと夢が増えようと、選べる未来は一つだけ。 どの未来を選ぶのかは、まあ主人公次第だね。 |
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……ん。そうだね。なんとなく、わかった。 |
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………………? |
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それで良いんだよ。水月はぼんやりと形がわかっても明確に見える事は無いんだから。 |
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あはは。上手いこというね、諠。 |
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でしょう。はっはっは。 |
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………………むみぃー!! |
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イラストなどについて |
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さて。このちゃんが故障しちゃったところで絵に移ろうか。 |
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……ぁぃ。 |
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落ち着いた? |
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んっ。……だいじょーぶです。 |
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よし。絵は、☆画野朗という人が担当している。 この人は僕の一番好きな原画家さんでね。 この作品が発売した時は、その絵の美しさにみんなが驚いたんだ。 |
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……たしかに、上手ですけど。 |
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うん。この後ろ姿、ちょっと幻想的な感じがするよね。 |
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それがまたシナリオに合っているんだよ。 |
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でも、この隅っこのキャラ、ちっちゃすぎませんか? |
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言葉ぐらいじゃない? |
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わたしはもっと大きいです! ……よね? |
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まあ、絵には何の問題も無い、というより、 これだけシナリオが良いゲームでも『絵が良い』と言われるくらいだから、素晴らしいんだよ。 |
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よねっ? |
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ん。諠がそこまで言うんだったら、きっととっても良い絵なんだね。 |
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聞けぇ――!! |
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おぅわ!? あ、暴れないでよこのちゃん! |
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音楽、歌などについて |
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OP『水月』 ED『未来』(共に曲のみ) |
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あたた……。な、なんとか機嫌を直してくれましたでしょうか、言葉さん。 |
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そこまでいうのなら、仕方ないです。ゆるします。 |
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はいはい。さて、次は音楽かな。 |
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かな。聴きようが無いから諠の感想しか聞けないけど。 |
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そうだねえ。後で聴きたかったら聴かせてあげるよ。 ……さて。まずこの作品は、歌がありません。 |
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……歌がないのですか? |
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そう。ついでにキャラの声も無い。 |
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……古いからでしょうか。 |
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んー。このブランド、これ以前の作品は両方有るから、そういう訳でもないと思うんだよねえ。 NVL形式のこの作品を、最も楽しめる形を取ったら、そうなったんじゃないかな。 |
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へぇ。それじゃあ、音楽もそれなりに良いの? |
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だね。全体としてこの作品が持つ『不安定さ』『危なさ』を良く表現していると思うよ。 |
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じゃあ、好きな曲とかもあるのですか? |
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うん。『優しさ』っていう、終盤で流れる曲が本当に良い曲でね。感動が最高潮に達するよ。 |
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キャラクターについて |
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さて、主さま。覚悟はいいですか? |
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何の!? |
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もちろん、ナナミ様と雪さんについてです! |
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うん、気になるよね。 |
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……とは言っても。どう話せば良い事やら。 取り敢えず普通にキャラ紹介しようか。 えっと、ヒロインは全員で6人居る。 ほぼ全員が主人公の事が大好きっていうのが、特徴って言ったら特徴。 |
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……へぇ。 |
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……なんか、寒いな。このちゃんで温かいはずなのに。 えっと。シナリオ的に重要なのは3人。那波と、雪と、花梨ね。 |
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二人とも重要なキャラクターなんだね。 |
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そうだね。というか那波と雪が最も重要なキャラだと思う。 二人とも山の民だから。超重要。 |
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……それ、いってもよかったのですか? 後でやろうと思ってたのですけど。 |
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別に、大丈夫じゃないかな。どうせすぐわかるし。 ……じゃあ那波から言おうか。このパッケージを飾っている通り、メインヒロインだね。 黒髪ロングで、盲目病弱。……とは思えない行動をするんだけど。 主人公がとってもお気に入りな様子で、普段大人しくても時たま大胆な行動に出る。 ……ああ、見た目ならなんとなくこのちゃんを伸ばした感じかもね。 |
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じゃあわたしみたいなキャラが一番お気に入りなんですね! |
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……まあ、そう捉える事がプラスに働くならそうしてください。 で、雪さんの方は白髪とも言って良い銀髪に、透き通るような白い肌。 昔主人公の父親に拾われてから、主人公の家に住んでるんだ。 自分から進んでメイドを名乗っていて、家事全般を完璧にこなす人。 主人公が全てって感じで、主人公の事を甘やかしまくっている。そんな人。 ……髪型が違ければ、さーやっぽいかも。 |
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じゃあ、あたしみたいなキャラが好きなんだね? |
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……。 |
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……。 |
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どっちの方が好きなのですか? |
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どっちの方が好きなの? |
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……しまった。地雷踏んだ。 |
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はっきりしてください、主さま。 |
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正直に言って良いんだよ、諠。雪さんでしょう? |
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那波に決まっているじゃないですか! 様付けなんですから! |
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ちょっと、ストップストップ! ……どっちも、本当に魅力的なんだよ。 二人は主人公の全てを受け入れてくれるし、優しさは心からのもので本当に心地良い。 ベクトルは違うかもしれないけれど、それぞれ二人だけの世界っていうものを見せてくれる。 だから選べない。きっと選んじゃいけないんだと思う。これは、そういうもの。覚めちゃいけない。 |
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……だから、探しに行こうとしたのですか? |
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や、だからあれは疲れて―― |
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主さま!! |
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はい。 |
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……わたしが、います。いつだって、主さまのそばに、いるじゃないですか。 紗綾さんだって。わたしたちは、ぜったいに、消えないです。夢なんかじゃないです。 |
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…………。 |
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だから、幻を追わないでください。月が目の前にあるのに、わざわざ水月を求めないでください。 ……おねがい、します。…………らって、わたしだって、主さまがいなかったら、ダメ、なんです。 |
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………………ん。ごめんね、このちゃん。 |
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あはは。良い所全部取られちゃった。 ……ねぇ、諠。 |
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うん? |
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あたし達の事、もうちょっと頼ってくれても良いんじゃないかな。 確かに、諠が一番年上だし経験も積んでるかもしれないけれど。 でも、それは甘えちゃいけない理由にはならないよ? |
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……ん、そうだね。ありがとう。 |
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はい。 ……さて、言葉。そろそろ良いんじゃないかな。 |
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ヤ。 |
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ヤ、じゃないの。 もう充分でしょう? 時間も時間だし、そろそろ諠から離れて。 |
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ヤー!! |
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ちょ、痛いって! このちゃん、離して! 引っ張らないで! |
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……こうなったら。 |
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…………あの、紗綾さん? |
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あたしも諠にくっつきます。 |
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え。 |
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とりゃ。 |
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おわっ!? ちょ、ちょっとさーや!? |
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ふふ。言葉の思い通りにはさせません。 |
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むーっ! 紗綾さん、主さまから離れてください! |
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じゃあ、言葉も離れて? |
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嫌です! |
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じゃあ、あたしも離れない。 |
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む――!! |
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…………まあ、こういうのもたまには良いか。 |
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ひとこと。 |
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ロリキャラには敢えて触れなかった! |
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