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タイトル | AQUA |
ブランド | SORAHANE |
発売日 | 2011年01月28日 |
ジャンル | 近未来学園ヒューマンビジュアルノベル |
対応OS | WindowsXP/Vista/7 |
価格 | 8800円 |
中古相場 | ゲーム博物館(仮) へ |
原画 | 秋月つかさ、腹ぺ娘(SD) |
シナリオ | ポチくん、砥石大樹、甲二(SideStory) |
音楽 | TINKERBELL SOUND LABEL |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
作品あらすじを表示/非表示
そのとき、僕と千紗との距離は、何メートルだったんだろう。 1メートル? それとも、10メートル? 「そーちゃーん! オレンジジュースでよかったーっ?」 「ち、千紗っ! あぶないっ!」 手を伸ばしたけど、その距離は縮まらなかった。 そしてその距離は 「なにー? きこえな――――― どんどん遠くなって 「ち……さ…………?」 ついには見えなくなってしまった。 目の前で朱色に染まる千紗。 道ばたをころころと転がる、オレンジジュースの入ったカップ。 しかし僕は、なにもすることができなかった。 近づくこともできなかった。 あの日から僕は、オレンジジュースが飲めない。 西暦2056年―― 質量をもったホログラムを生成することができるコンピュータ アクアがパソコンに取って代わり8年が過ぎ、 アクアが世界中で生活に根付いていた。 月ヶ浜はアクアを制御するルカと呼ばれるアンテナが水平線に立ち、 アクア開発研究組織ECReD擁する科学技術都市として発展してきた。 鳴海颯太は母親の智恵と共に、7年ぶりにこの街に戻ってきた。 しかし颯太は、この街に戻ってくるのが嫌だった。 ここに来ると ―――死んだ千紗のことを思い出してしまうから 柊木なずなとの衝撃的(すぎる?)な出会い。 学園で出会う南凛や月代奈々璃といったクラスメイトたち。 そして颯太は学園で、びしょ濡れ姿の一人の少女と再会する。 「そー……ちゃん?」 僕のことをそう呼ぶ子は、たった1人しかいなかった。 それは“ちさ”と同姓同名の野々宮千紗ではない。 僕が知っている、僕が昔知り合った、僕が死んだと思っていた、 野々宮千紗、ただ1人だけだった。 顔立ちも、身長も、そして胸の大きさも違ってた。 でも、その千紗の笑顔が、記憶の“ちさ”と重なった。 それは夢でも幻でもなく、現実として、確かに、そして実際に、ここにあった。 白い制服が濡れ、透けた先に見えるものは、とても神秘的で――― ―――とてもドジっ子だった。 |
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ヒロイン紹介 | |
野々宮千紗(CV:雪村とあ) 控えめで目立たない、誰にも優しいドジっ子の幼馴染 七年前の事故で、颯太は千紗が死んだものだと思っていた そしてまた、颯太とは一つ屋根の下暮らしはじめることになる 料理が得意だが、時々とんでもない料理を作って颯太達を困らせる 誰からも愛される、クラス男子みんなの嫁 |
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南凛(CV:桜川未央) 天真爛漫で、天邪鬼な、少々お節介好きなクラスメイト 他人の恋愛には積極的だが、自分のことになると非常に奥手 噂や流行に敏感で、時に超人的に勘が利いたりするため 凛の前では嘘がつけない 容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能という完璧超人 しかし胸の小ささだけが、密かなコンプレックス |
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月代奈々璃(CV:みる) 口数が少なく、他人と触れ合おうとしない、素直で小さなクラスメイト 学校帰りに雑貨屋でアルバイトをしているという頑張り屋の一面もある 成績不良により一年留年しているため、年齢的には颯太達のひとつ上になる しかし、見た目、行動、言動のどれを取っても、年相応に見えない 世間知らずで、羞恥心も若干欠けており、思いついたことを 誰の目も気にしないでやってしまう癖がある |
購入動機 『背景に感動して』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
8/10 | 7/10 | 8/10 | 6/10 | 6/10 | 6/10 | 7/10 | 8/10 |
お気に入りキャラ 南楓 |
序 | |
ふぁ、こんな電話が今はあるのですか。 | |
ん? ああ、そうだね。 | |
なんだか、時代の流れって早いですねぇ。 | |
……。 | |
どうかしましたか? 主さま。 | |
いや、ちょっと見た目と発言とのギャップが――ごめんなさい。 | |
むー。……でも、最近ってホントに変わるのが早いと思います。 | |
まあ、そうだねぇ。数年前まではネットなんてパソコン通信とか言われて、 一般的には全然普及してなかったし。 |
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ほんのちょっと前まで、なにか分かれて戦ってましたよね? | |
うん? ……あぁ、第二次せ―― | |
岐阜で。 | |
関ヶ原!? | |
まるで昨日のことのようです。 | |
どれだけ記憶力が良いの!? | |
と、それは置いておいてですね。 主さま、なにかゲームを貸してください。 |
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うん、この流れからなんでそうなったのか全く分からない。 | |
会話って、そういうものだと思います。 | |
ま、ね。さてこのちゃん。どんなのがやりたいの? | |
んっと…………あ、これがいーです。 | |
『AQUA』? あー、まあ確かに丁度良いかもね。文脈的にも。 | |
ほぇ? | |
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文章全般について | |
じゃあこのちゃんに一つ質問です。 | |
あい。 | |
世の中が便利になって、変わった事ってなんだろうね? | |
ほぇ? それは、生活じゃないでしょうか。 | |
ん、そうだね。じゃあ、人はどうかな。 | |
……人? それは、生活によって変わるんじゃないでしょうか。 | |
例えば? | |
……むぅ。たとえば、ご飯がたくさんあったら、ご飯の大切さを忘れちゃいます。 | |
うん、物凄くこのちゃんっぽい回答だけど、まあそうだね。 つまり、何かを得たら何かを失っちゃうんだよね。 便利さを得れば得る程、昔大事にしていた何かを失ってる。 |
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……なんとなくわかりますけど、それがどうかしたのですか? | |
それがこのゲームで大事なテーマなの。変わるものと、変わらないもの。 | |
…………どんなゲームなのですか、これ。 | |
『アクア』っていう、パソコンに代わる機械が出てくるの。 それは、触ることが出来るホログラムを作ることが出来るというもの。 |
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ほろぐらむってなんですか? | |
えー……。立体映像、かな。触れないでしょ? それが触れるの。 | |
……それって、すごく便利ですね! | |
だからそう言って……まあいいや。 舞台となる場所はそのアクアを制御するアンテナ、『ルカ』がある街。 そこに主人公が7年ぶりに「帰ってくる」。 |
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帰ってくるってことは、もともとそこにいたのですか? | |
うん。小さい頃はそこに住んでいたの。 でも、主人公はその街・月ヶ浜に帰ってくるのが嫌だった。 |
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……嫌な思い出でもあるのですか? | |
主人公には、千紗っていう幼なじみがいたんだ。 ちょっとドジだけど可愛らしい女の子。 |
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……あ。もしかしてふられ―― | |
オレンジジュースを買いに行ったんだ。 | |
? | |
笑顔で戻ってくる途中。 主人公の目の前で。 ダンプカーに轢かれて―― |
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これやりたくないですっ! ヤ! | |
いやいやいやいやいや。最後までちゃんと聞いてよ。 | |
うー。……らって。そーいうの、ヤ、です。 | |
まあ、主人公もだから帰って来たくなかったんだよ。 でも、転校した先の学校に、居たの。 |
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誰がですか? | |
千紗が。成長して。 | |
……ほぇ? | |
まあそうなるよね。主人公もそんな感じ。そしてこれで全部の材料が揃った。 アクアと、千紗とそしてその周りの人たち。 生きるってなんだろう、人ってなんだろう。 そんな命題を今よりもずっと便利になってしまった世界で考える、 とても壮大で小さな物語。それが、これ。 |
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……壮大で小さなって、なんだか変です。 | |
んー、なんていうのかな。 ものすっごく膨大な数式がはじき出した答えが「1」だったみたいな感じかな。 結局のところ、答えっていうものはどれも単純なんだよね。 |
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むぅ。なんとなくわかりましたけど、 結局どんな作品なのかわかんないです。もうちょっと具体的に教えてください。 |
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了解。 シナリオ構成は、『AIR』と同じっていえば分かるかな? ヒロインが3人いるのだけど、その3人の個別シナリオの後、過去編。 そして千紗afterシナリオがTrue扱い。 |
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あー。わかります。あんな感じなのですね。 | |
選択肢は全然無いけどね。 で、千紗と、あと先生が主人公の家に居候してきて、後は所謂学園もの。 さっき言ったシナリオのテーマに関わってくる描写以外は、まあ可も不可もないかな。 アクアっていう設定を存分に使った、心地よい世界観だったよ。 |
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心地よい? | |
アクアっていう名前だけあって、澄んだ透明感ある世界観って言うのかな。 科学が物凄く発達したんだけど、でも自然が綺麗な感じ。 |
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んー……気持ちよさそうですっ! ……なんだかすっごく褒めてますけど、不満なところはなかったのですか? |
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そりゃ、あるよ。例えばスケールが超大きいのに小さくまとまり過ぎているとか。 | |
…………さっきそれ褒めてませんでしたか? | |
それとは別のこと。世界中を巻き込んだ話なのに、 全部主人公の身内だけで問題が発生解決する。 組織も名前だけは出てくるけど全貌がわかんないし。 そういうハリボテな感じがしたかな。 |
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はぁ。 | |
あと、あまり黒くない。 | |
なにがですか? | |
話が。SFちっくでかなり倫理的に不味いことなんか平気で出てくるんだけど、 出てくるだけで描写が無いの。今言った組織がこんなことしてますーみたいな感じで。 だからSF好きには物足りないんじゃないかなあ。ボクは苦手だから逆に助かったけど。 |
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んー、じゃあ総合的に面白かったのですね? | |
うん。駆け足だったかな、とは思ったけれど、 変わるものと変わらないもの。 ありがちなテーマだけど透明感のある世界観で気持ち良く纏めてると思うよ。 |
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ほぇー。……変わるからいいものって、なんでしょう? ……あ、人の成長とかですか? |
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このちゃんは変わんないけどね! | |
……………………。 | |
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イラストなどについて | |
背景は物凄いと思う。これで僕は購入を決めたからね。 | |
背景は、って……キャラクターの絵も、いいと思いますけど。 | |
パッと見ね。 | |
……ダメなのですか? | |
ダメって言うか、そうだなあ。 このちゃん、この絵を見てどう思う? |
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ほぇ? かわいいと思います。 | |
そう、可愛いんだよ。だけど上手い訳じゃないの。 だから、なんか変だなっていうところが多々ある。 |
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むぅ。かわいければそれでいいと思いますけど。 | |
まあ、それで良いなら問題ないかな。 ただ、個人的にはこういう「可愛いんだけど別に上手くない」絵が増えててちょっと悲しい。 |
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音楽、歌などについて | |
OP『EVERLASTING BLUE』 ED『SUMMER DAYS』IN『TRANSPARENT』 | |
音楽はそこまで印象に無いんだよねえ。 | |
ですかー。 | |
ただ、魅せる所ではきちんと魅せる。OPのアレンジとかね。 「ああ、これは感動するわ」っていう使い方をしてくる。 |
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ほぇー。どんな曲ですか? | |
後でね。まあともかく、使いどころが良い。そんな感じかな。 | |
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キャラクターについて | |
キャラクターは、ヒロイン3人で他いっぱい。 | |
主さまはどれが好きなのですか? わかってますけど! | |
そういうの良いから。まあ好きなキャラ言う前にちょっと説明しておきましょうね。 | |
あぃ。 | |
まず、メインは勿論千紗。だから千紗シナリオが一番良い……と思ったでしょ? | |
……え、違うのですか? | |
違うんだよ。奈々璃の方がどう考えてもシナリオの出来が良い。 凛が千紗Trueに持ち越しなのに対して奈々璃は完結してるし、後味も良い。 キャラとしても周囲から愛されまくってるし。まさに寵児。 |
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主さま、開発に携わったのですか? | |
どうやったらその発想に辿り着くの!? | |
だって、奈々璃好きですよね? | |
…………まあ、うん、そうだけど。……にやにやしないの! | |
あぅ。 ……あれ、でもそうしたら千紗はどうなるのですか? |
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…………千紗ねー。うん。 | |
……ふぇ? なんだか、暗いです。 | |
ボクは常々思ってるんだけどさ。 | |
はい。 | |
ゲームをしている人はゲームが好きなのであって、 別にゲームをしている人が好きなわけじゃないと思うんですよ。 |
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それは、そうです。 | |
なんでヒロインにオタク設定を付けるのかがさっぱり理解できない。 親しみやすくなるとでも思ってるのかな。逆に世界観壊してていらっときたのだけど。 |
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ひぅ。……主さま、その顔こあいです。 | |
ああ、ごめんごめん。 まあともかく、こういう受け狙いの安直なキャラ付けは好きじゃないね。 受けるならともかく受けないし。 メインだっただけに、残念。悪い子じゃないんだけど。 |
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むー。主さまが大好きな奈々璃はそんなことないのですよね? | |
奈々璃は別に。ロリっていうくらいじゃないかな。 あと重大な勘違いをしてるけど、一番好きなキャラは七々璃じゃないよ。 |
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!? | |
うん、その驚きの理由は何なのだろう。 | |
え……じゃあ、誰なのですか? | |
んっとね。楓っていう凛の妹。サブキャラだね。 | |
どんなキャラなのですか? おにいちゃん。 | |
お兄ちゃん言わない。大人しくて控え目なキャラかな。 主人公のことが気になっているけど言えない。そして目立たない不遇なキャラ。 |
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……同情ですか? | |
いや、単純に好みだったのだけど――そんな顔しないでください。 | |
むー。まあロリっぽいからいーですけど。 ……でも、やっぱり、変わらないとつまんないのでしょうか。 |
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え、何、いきなり。 | |
さっきの話です。 人は変わるから面白いし、変わることができるからいいものなんじゃないかなって思います。 でも、わたしは変われないです。ずっと、こんな感じです。だから―― |
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別に変わらなきゃいけないものでもないでしょう。 | |
……主さま? | |
僕は、いつでも変わらずに近くに居てくれる方が、良いけどな。 そんなことできる人、いないでしょう? |
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あ。…………ふふー。 安心してください主さま! ずっとそばにいますから! |
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ひとこと | |
凛? ああ……うん。 | |