レビュー本文まで飛ぶ | |
バナー無し | |
タイトル | 痕 |
ブランド | Leaf |
発売日 | 1996年07月26日 |
ジャンル | ビジュアルノベル |
対応OS | PC-9800 MS-DOS Windows95 |
価格 | CDケース版 8800円 |
DVDケース版 5800円 | |
中古相場 | CDケース版 980円 |
DVDケース版 880円 | |
原画 | 水無月徹 |
シナリオ | 高橋龍也 |
音楽 | 石川真也、下川直哉、中上和英、高橋龍也 |
ボイス | 無 |
FD | 有 |
全年齢版 | 無 |
作品あらすじを表示/非表示
別居中だった主人公の父親の突然の事故死から早一ヶ月。
せめて四十九日の間くらいはと、長い大学の夏休みの終わり、主人公はかねてから予定していた旅行を取りやめ、田舎にある父親の実家へと訪れた。 幼い頃に両親を亡くし、主人公の父親に扶養されていた従姉妹たちも、悲しみに明け暮れていた日々に決別し、徐々に明るい笑顔を取り戻しつつあった。 心に深い痕を残したまま、主人公を優しく迎え入れてくれる彼女たち。だが事件は、そんな彼女たちの心を、冷たく非情に引き裂いていった…。 |
|
ヒロイン紹介 | |
no image | 柏木千鶴 主人公の従姉妹にあたる女性で、四姉妹の長女。 去年の春に大学を卒業したばかりだが、扶養者である主人公の父親が 亡くなったために、必然的に由緒ある柏木家の家長になってしまう。 つややかな長い黒髪で、仕種や性格も可愛らしい、とても穏和な女性。 主人公の憧れの女性でもある。 |
no image | 柏木梓 四姉妹の次女。 勝ち気で負けず嫌い、責任感の強いしっかり者。 だが、短気で単純、おまけに暴力的という三要素を持ち合わせており、 主人公とは他愛ないけんかを繰り返す。 |
no image | 柏木楓 四姉妹の三女。 物腰の静かな大人しい少女。 人と接するのが苦手なのか、主人公が訪れてからというもの、ほとんど 言葉を交わそうとしない。 |
no image | 柏木初音 四姉妹の四女。 まだあどけなさを残しているが、テレビCMのタレントとしても通用するほど可愛らしい。 主人公を「お兄ちゃん」と慕っており、 おっとり穏やか、優しく控えめ、そして甘えん坊と、 まるで理想の妹を絵に描いたような女の子。 |
購入動機 『古典』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
8/10 | 8/10 | 8/10 | 8/10 | 5/10 | 3/10 | 7/10 | 9/10 |
お気に入りキャラ 柏木楓、柏木初音 | |||||||
減点対象 第一項(該当者は補正オススメ度-3) |
序 | |
主さまー。 | |
んー? | |
んしょ。さっきから、なにをやっているのですか? | |
『痕』ってゲームを読み返してるの。 | |
ほえ、それ面白いのですかー? | |
わ、ちょっと、画面が見えないじゃないのさ! | |
ひゃう!? むー、主さま、いじわるです! | |
変なところから覗き込んでくるからしょう! | |
だって、気になります。読み返してるってことは、面白かったのですよね? | |
んー、まあ、そうね。 | |
じゃあ、わたしもやってみたいです! | |
……いいけど、いいの? | |
な、なんですか、そのかわいそうなものをみる目は! | |
いや……うん、そっか。頑張るんだよ。 | |
なんですかぁ、その変にあたたかい目はっ! | |
大丈夫、このちゃんならやれるって僕信じてる! | |
よくわかんない時だけ信じないでください! 主さま、これどんな作品なのですかぁ! | |
んー、知りたい? | |
当たり前です! 教えてください! | |
……いいけど、いいの? | |
だからその目はやめろっていってるんにゃあああああああああああああ!! | |
幕間 | ページジャンプへ戻る |
文章全般について | |
いたた……なにもぶたなくても。 | |
主さまがいじわるするからです! | |
ちょっとからかっただけじゃな―― | |
(キッ!) | |
ごめんなさい。 | |
……もう。それで、これはどんな作品なのですか? | |
ああ、うん。説明するのは良いんだけど……泣かないでね? | |
……そんな内容なのですか? | |
どうだろう。さて、説明始めようか。 | |
…………やっぱりいじわるです。 | |
主人公は父を恨んでいました。母と自分を捨てて、母の葬式にすら来なかった父を。 でもその父の実家から、父が死んだ、という知らせを受けるの。 このちゃんだったら、どうする? 行く? それとも行かない? |
|
……いきます。 | |
あら、意外と義理堅い。 | |
だって、それでも家族です。……って、意外ってなんですか意外って! | |
あだっ! ……まあともかく、このちゃんみたいに主人公も実家に行くことにしたんだよ。で、実家には従姉妹たちが4人いたの。両親が亡くなって、主人公の父に養ってもらってたんだね。 | |
……なんで4人も養えるのに主人公は養わなかったのですか。 | |
まあ、それにも理由があるんだけどね。それは今は置いておいて。 元々四姉妹とは仲が良かったから主人公はとっても歓迎されるんだけど、夜、主人公は恐ろしい夢を見るの。 |
|
……どんな夢ですか? | |
自分が獣になって、人を殺す夢。そしてそれは、現実のものになるの。朝起きたら、夢で見た通りの事が、現実にも起こってた。 | |
むゆーびょーってやつですか? | |
それだとなんで獣だったのかわからないじゃない。 | |
あ、そういえばそうです。 | |
まあ、それが作品の肝かな。あの夢はなんなのか、あの獣はなんなのか。それをどんどん突き止めていく、伝記ミステリー風な作品。 | |
……あれ、面白そうですけど。 | |
面白いよ。かなり荒削りな作品ではあるけどね。 | |
荒削り? | |
んー、一気に書き上げたような雰囲気って言うのかな。主軸であるミステリー要素とか、或いは伝記的な部分って言うのはプレイヤーもどんどん引き込まれていくしわくわくするんだけど、ただそれだけなんだよね。 | |
……それがあれば充分な気もしますけど。 | |
読み物としてはね。だけど、一応各ヒロインでエンディングがあるんだから心情描写ももうちょっと丁寧にやってほしかったかなあとは思うよ。 | |
ふーん。特徴とかってあるのですか? | |
特徴? そうだなあ。これは96年の作品なんだけど―― | |
ってことはわたしのが年下ですね? | |
ごめん、1996年の作品なんだけど。 | |
…………まぎらわしいです。 | |
うん、普通勘違いしないからね。 まあそれは置いといて、こういったゲームでいうとこの作品は結構古い部類なんだけど、今じゃあんまり見られなくなったとても『ゲームをしてる』って気分になれる作品だよ。 |
|
ゲームを? どういうことですか? | |
このちゃんが知ってる作品って、大体は作品の個別ルートを一つの物語として成立させてて、Trueとかはあっても一応各シナリオきちんと終わっている感じでしょう? | |
……そうですね。そういうのが多いです。 | |
これは、各ヒロイン、BADエンドに至るまで攻略順序が決められていて、BADやGOODエンドを繰り返しながら真実に近づいていくゲームなの。 | |
どういうことですか? | |
四姉妹の上から順に攻略していくんだけど、BADを何回も見なきゃいけない。で、長女のシナリオを見ても全貌が分からない。だから次に次女を見て三女を見て、四女でやっと全貌が理解できる。シナリオ自体は各ヒロインで完結しているから、とても読み手であるプレイヤーを意識した作品だと言えるね。 | |
……あれ、なんでBADエンドを見ないといけないのですか? | |
シナリオ理解の為。BADじゃないとわからない事実とかあるんだよ。失敗しないとわからないこととか、あるでしょう? | |
夜中にお菓子を食べたら怒られるとかですか? | |
…………全然違うけどそれでいいや。 まあそんな感じで、主人公のことや伝承、犯人のこととか、随所にヒントが散りばめられていてゲームとしてとっても面白いと思う。早く続きが読みたいって感じになるよ。ボリュームとしてもそこまであるわけじゃないからさくさくっとプレーできるし、古いけど今でも十分通用するかな。 |
|
へぇー。伝記的な作品で主さまが気に入るのって、めずらしいですね? | |
そうかな。まあ伝記って言ってもファンタジーな部分が多いっていうのもあるかもね。 | |
ダメな部分とか、あるのですか? | |
そりゃまあね。さっきも言った通り、そういったミステリー部分は面白いんだけど、キャラクターとの交流にまで話が及んでいないことが多いからこのちゃんが好きな恋愛面は全然期待できない。 | |
……それはたしかに、わたしとしては問題です。 | |
あと、終わり方がいまいちスッキリしないんだよね。続くって感じで。もうちょっと綺麗に纏まるのかなって思っていたからそこら辺はちょっと残念だったかな。三女くらいまでは話も面白かったんだけど四女で失速したかなっていうか。 | |
あー、ちょっと残念ですね。でも、面白いのですよね? | |
そうだね。先駆的作品という意味でも欠かせない作品だけど、シナリオ構成やストーリ、プレイヤーの惹き込み方なんかは今でも十分現役でやれる作品だと思う。 | |
……ところで、きいていても大丈夫だったのですけど、なんでわたしがやるっていうと変な態度だったのですか? | |
んー? だって凌辱とかバンバン出てくるし、血とかドバドバ出るし。メインキャラクターは然程酷くは無いんだけどね。サブキャラに関しても、内容的にもそうだけど絵がアレなのもあって――って、このちゃん? どうしたの震えて。 | |
………………いちばん最初にいってください!!!! | |
幕間 | ページジャンプへ戻る |
イラストなどについて | |
ふーっ! ふーっ! | |
いたた……引っ掻かなくてもいいじゃない。 | |
……主さまがいけないんです。 | |
まあ確かに最後まで黙ってたのは悪かったよ。ごめんね。 | |
…………わたしも、ごめんなさい。 | |
はい、じゃあ仲直りってことで次に行って良いでしょうか? | |
あい。 | |
じゃあ次は絵なんだけど、これ見てどう思う? | |
わたしの方が上手いです。 | |
さらっと嘘つかないでください。 | |
だってだって、これですよ? | |
いや、まあ言いたいことは分からなくもないけど……今と昔で描き方違うし、これはこれで味がある絵だと思うんだけどなあ。 | |
あじ? | |
うん、やってて全然違和感を感じないんだよねえ、この絵に。それだけ世界観、雰囲気とあっているのかもしれない。上手い下手も大事だけど、そういうのも大事だと思うよ? | |
……そう、ですね。 | |
それにこの絵の方が凌辱描写とか大丈夫でしょう。あんまり苦痛に感じないと思うけど。 | |
……そうですか? | |
僕はそうだったかな。 | |
わたしは、絵とかじゃなくてあるのが嫌です。 | |
うーん、それじゃあダメなのかなあ。試しにやってみて欲しいものだけど。 | |
幕間 | ページジャンプへ戻る |
音楽、歌などについて | |
OP『寝覚月』『花詞(09年版)』 ED『うつせみ(09年版)』 | |
音楽は……どうだったかな。 | |
覚えていないのですか? | |
OPはよく覚えているよ。伝記的で良い曲だった。BGMもそれに従って暗めなものが多かったような印象はあるんだけど……、音楽モードが無いからなあ。 | |
ほぇ、珍しいですね。 | |
この頃は別に珍しくはないと思うんだけどね。さっきからやり直してたのは音楽を聞き直すって理由もあったんだけど。 | |
……もしかして、最初からわたしとお話するつもりでしたか? | |
まあ、そうね。 | |
……ふふー。それで、聞き返した感じはどうでしたか? | |
そうだなあ。基本的に良い曲が多いんだよ。中でもシリアスパートの曲はピアノ調であったりオルゴール調であったりして、疑心暗鬼的な雰囲気と言うか見えない敵を怖れる感じがとても出てる。 | |
幕間 | ページジャンプへ戻る |
キャラクターについて | |
じゃー主さま、一緒にやってください。 | |
うん……うん? まだキャラクターの話が残っているでしょう。 | |
え、だって、わかるのでいーです。 | |
何年間否定し続ければわかっていただけるのでしょうか言葉さん。 | |
ひぅ。……じゃー聞きますけど、四女ですよね? 好きなの。 | |
はい。 | |
あってるじゃないですか!! | |
それはうん、そうなんだけど。でも最初から決めてかかられるとアレっていうか。色々話したいこともあるし。 | |
いろいろ? | |
うん。というかこの作品の構成的に下の方に人気が偏るのは仕方ないんだよ。段々シナリオがわかってくるんだから。 | |
でも、最後は微妙っていったの、主さまです。 | |
う。……まあ四女の初音は例外としてですね。長女や三女も結構好きだよ。 | |
……次女は? | |
別に。 | |
そ、そうですか。んーと、どんなキャラクターなのです? | |
長女は唯一のお姉さんだから頼りになる感じかなあ。でも結構抜けているところが多いし料理も出来ないんだけど。保護される年上キャラっていうか。 | |
……頼りになってますか? それ。 | |
ちゃんとした場面では、ね。その分自分の感情より他を優先することがあるから非情な面も持ち合わせているんだけど。 | |
年上キャラって、そういうの多い気がします。 | |
そうかもね。 次女はスポーツ系かな。男勝りだけど胸が一番大きいし料理も一番できる。三女は寡黙であまりしゃべらなくて、四女は甘えん坊な感じ。 |
|
えへへー、主さまー♪ | |
無理に甘えてこなくていいから。 まあキャラクターはヒロインで言うと四姉妹に限定されるからなあ。正直なところ、キャラクターそのものは記号的なものだと思った方がいいのかもしれない。 |
|
記号、ですか? | |
あー、記号と言うより配役って言った方が良いかな。こういう役、みたいな。話が主体になってキャラが動いている感じだから、あまりキャラクターに思い入れが生まれないんだよね。 「あーん、○○が死んじゃったー!」というより「このキャラが死んだから次はー」って感じ。 |
|
……わかるような、わからないような感じです。 | |
まあ、最近はシナリオを重視した作品でもキャラクターありきな書き方が多いからね。こういうのは古典的なのかも。 | |
ふむぅ。……ところで主さま、さっきもいいましたけど、わたしがこれをやりたいっていったら一緒にやってくださいますか? | |
んー? いいけど……いいの? | |
いーです。主さまがいれば、きっとだいじょーぶです。 | |
そっか。……あれ、なんか違和感が。 | |
? どうしたのですか? | |
いや、いつもこのタイミングでこのちゃんが怒ったり喜んだり泣いたりしてるから自然に終わることが寧ろ不自然に感じ―― | |
さっきから、そんなにわたしを怒らせたいのですか? | |
そんなことなっ! いだっ! いたいってばこのちゃん! | |
幕間 | ページジャンプへ戻る |
ひとこと。 | |
09年版に96年版もついてくるので買うならそちらをどうぞ。 | |