購入動機:原画が好きな人なので | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
5(補正-2) | 9 | 8 | 8 | 10 | 10 | 7 | 9 |
お気に入りキャラ:ナミ |
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Prelude |
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………………ぁぅ。 |
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こーのちゃん! |
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うにゃあああああああああああああああああああああああああああ!! |
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ひあああぁああ!? ど、どうしたのこのちゃん!? |
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ぬ、主さま!? おおお驚かさないでください! |
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……いや、別に驚かしたつもりはないけど。…………なんでそんなに驚いてるの? |
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……い、いえ。なんでもないですにょ? |
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語尾が何処かの王女様みたいになってるけど。 ……ん? この番組は……『怪談百物語』。ははあ。 |
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な、なんですか、その悟りきったかのような目は! |
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このちゃん、怖いの嫌いだもんねえ。 |
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な、なーにをいっているのですか、主さま。ぜんぜんこあくないですにゅ! |
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滑舌悪くなってるし妹分の語尾になってるよ! …………そこまで言うなら試してみようか。 |
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ど、どーんとこい、ですよ! |
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……じゃあ、いくよー。 |
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………………。 |
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……………………。 |
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…………………………? |
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ふーっ |
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きゃあああああああああああああぁあああぁあ!!? 耳、みみぃいいいいいいいい!! |
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なーいす、さーや。 |
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あはは。こんなので良かったの? |
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おっけーおっけー。アイコンタクトだけでよく察してくれたよ。 |
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ぅ……うぇえええええええええええええん!! |
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…………あ。 |
幕間 | |
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Scenario Text |
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むぐむぐ…………んふー。 |
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機嫌直りましたか、このちゃん。 |
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あいっ! なおいまひた! |
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うん、口の中の物が無くなってから喋ろうね。 ……にしても。怖いのが嫌いなら見なきゃ良いのに。 |
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ぐっ! ……べ、別に苦手じゃないですよ? |
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……まだそういう強がりを言う。 |
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つ、強がりじゃないです! ホントに、苦手じゃないんです! |
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……ふーん。じゃあ、このちゃんに一つゲームをオススメしよう。 これに耐えられたら、まあ本当なんだろうね。 |
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の、望むところです! |
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暗転 |
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はい、これ。 |
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…………こわそうです。 |
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まあ実際はそこまで怖いって訳じゃないんだけどね。 |
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そ、そうなのですか? べべべ別にこあいのでもだいじょーぶでしたけど、それしかないなら仕方な―― |
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怖い事には変わりないけどね。 |
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ひぅ。 |
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それじゃあまあ、どんなゲームなのかをお教えしましょう。 |
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…………なんで電気を消すのですかぁ!? |
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んー? |
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ななななななんでロウソクに明かりを点けるんですかぁ! |
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………………そういえばこのちゃん。気をつけてね。 |
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なにを! |
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ん。この神社、実は…………。 ………………さて、ゲームの内容なんだけど。 |
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この神社がどうしたのですか!? ねぇ主さまこの神社がどうしたのぉ!? |
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……口調が戻る程恐いのか。 大丈夫、大丈夫。この神社は特になんにも無いから。 |
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…………ホント? |
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ホント。さ、このゲームの説明をしよう。 |
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……………………うん。 |
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さて。これはどんな話かと言うとー。 主人公の桐人は大学の夏休み、研究課題を仕上げる為に自分の元・故郷に帰って来たの。 あと、昔住んでいた家を引き払う為に。 ちなみに研究って言うのは、田舎の伝承について。民俗学だね。 |
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……(ぷるぷる) |
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物凄い田舎だったから桐人もあまり乗り気じゃなかったんだけど、 幼なじみのカナタやその母親と再会して、色々な話をしたり、色々な場所に行ったりする内に、 田舎って良いなあ、とか、そういった一種の癒しのようなものを感じてきた。 要は存外に楽しく過ごしていたんだね。 |
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…………あれ? こわくない…… |
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だけど。 |
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ひぅ。 |
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夜、誘われるようにして神社に行った所から物語は急変する。 誰も居ない境内。そこはまるで異世界のようで。 本殿にあるのは太古の昔の銅鐸。だから扉を開ければ昼間のようにそれがあるはずだった。 ――でも、そこにあったのは……………… |
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……………………。 |
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……というお話なんだけど。 |
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なにがあったのですか! 本殿になにがあったんですか!! |
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それを言ったら詰らないじゃない。 これは怪談じゃなくて説明なんだから。実際にやって確かめてみようよ。 |
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………………一緒にやってくれますか? |
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怖くないんじゃなかったの? |
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…………………ぅ…………………ひっく。 |
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何で泣くの!? |
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うぇ…………うぇえええええぇえぇ……んっく。 ……うしさまあんて……ぅっく…………主さまなんて、きらいぃ。 |
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!? こ、言葉さん? ……あの、ちょっと調子に乗り過ぎた気がしないでもな―― |
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しあない。 |
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本当に申し訳ありませんでした。 |
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…………んっく。……じゃあ、ふくしょうしてください。「このちゃんはこわがりじゃない」。 |
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このちゃんは怖がりじゃない。 |
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「このちゃんはかわいー」 |
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このちゃんは超可愛い。世界で、一番。 |
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……ふふー。「このちゃんはセクシー」。 |
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………………。 |
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なんでだまるのですか!? |
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いや、だって、ねえ。自分が一番分かっているでしょう? |
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……。……まぁ、超を付けてくださったのでいいです。続き、いってください。 |
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ん。今さっき言った事だけれど、この作品のメインとなるものは神話伝承なんだ。 特に、伝承。舞台となる村には、色んな言い伝えがある設定になってる。 |
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たとえば、どんなのがあるのですか? |
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「この村で生まれた女は、夜に大声を出してはいけない」 「この村で生まれた女は、夜に人と争ってはならない」 「この村で生まれた女は、夜にこの村の境界線を越えてはならない」 「満月の出ている夜に、この村で生まれた女の姿を何人たりとも見てはいけない」 |
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……全部夜と女ですね。でも、なんでこんなことがいわれているのでしょう? |
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まあ、それが伝承だしね。そういうよくわからないものが多いんだよ。 ……でも、伝えられているからには意味があるんだっていう事を忘れちゃいけない。 意味の無い伝承なんて無いんだよ。意味が分からない事はあっても、ね。 |
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……はい。 |
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それでね。この村には奇怪な事がもう一つある。 ……まあ、こういう例もある事にはあるんだけど。 |
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なんですか? |
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村人全員が同じ苗字。 そして、主人公の家が本家。 |
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…………全員同じ苗字? それって、全員親戚ってことですか? |
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そういう場合もあるだろうけれど、違う場合もあるだろうね。 これがどっちなのかは、まあやってみて。 とにかく。そういった超ド田舎特有の気味の悪い部分が前面に押し出されているんだよ。 ここでは言わないでおくけれど、それとは別ベクトルの薄気味悪い設定も被いかぶさって来る。 気味悪さの競合。この作品は、まるで鎮魂歌のように、美しくも恐ろしいものを奏でているよ。 |
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…………主さまの感想としては、どうなのですか? |
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んー。そうだなあ。 雰囲気としては序盤は楽しく、中盤は怖く気味悪く、終盤は暗く、っていう感じ。 とってもメリハリがあったと思うよ。特に序盤から中盤にかけて。 |
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……主さまは、怖かったのですか? |
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怖かったと言うか、驚いたって感じかなあ。 日本のホラー的っていうか、急に出てくるからびくっってする感じ。 |
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………………なるほど。 ……大丈夫、かな。 |
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そして、段々そういうシーンは無くなるんだ。 次第に薄気味悪い怖さに変化する。それも、漠然とした曖昧な怖さ。『死』というテーマの下にね。 死生観を扱っているシナリオとしてとてもよく出来ていると思うし、 展開も論理的で、伝奇系の作品としては最高峰と言って良いくらいよく練られているし、 テキストも読む者をぐいぐいと引っ張る、先が気になって仕方が無いくらい面白いテキスト。 怖いんだけど……読み物としては凄く面白かったよ。 |
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…………ずいぶんと褒めてますね。 |
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まあ、実際面白かったからね。 その分いただけないところも沢山あったんだけど。 |
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? どんなのですか? |
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そうだね。まず根本から否定しておこうか。 |
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…………この作品、好きなんですよね? |
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うん。でもまあ好きでも否定すべき所は否定しないと。 |
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いえ、それはいいことだと思うのですが、根本を否定する作品を好きになったのですか……? |
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や、だから言ったでしょう。「読み物として面白かった」って。 それとこれとは別問題なの。わかる? |
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……よくわからないですけど、いいです。 |
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そう。じゃあ言うね。 この作品は死生観を扱っているって言ったけど、その死の世界、つまり黄泉の国については非常に曖昧に書いているんだ。それも、説明不足過ぎるっていうくらい。 |
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わざとやっているんじゃないですか? 前、主さまが「よくわからないものは気味悪く感じる」っていってました。 |
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確かにそれもあるのかも知れないけれど、それだけじゃないんだよ。 それは、神道、つまり僕達の世界に於いて死というものはとっても曖昧なんだよ。 だから神社や神道をメインで扱って死とか死生観について書こうとすると、神社とか神道を調べれば調べるほど、詳しくなればなるほど……書けなくなる。 実際にこの作品で扱っている死の具体的な部分、命のロウソクっていうのは神道じゃなくて、グリム童話の「死神の名付け親」っていう話だしね。 |
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……でも、主さまのお母さんって…………。 |
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黄泉大神だね。でも、会った記憶ないし。その頃はまだ違ったしね。 黄泉について分かっているのは「死んだら行く」っていうだけでしょう? その後どうなる、とか具体的な事は何も書いていない。 実際、このちゃんだって一応神様だけれど、知らないでしょう? |
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たしかに、わからないです。 |
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だから、このテーマにした時点でこの作品の完成度はここまでしか上がらない事が決まっていたんだよ。 とっても面白い本なんだけれど、中盤のページに落丁がある。 そしてそれは本に対して矛盾してしまうから書けない。埋めようにも埋められない。そんな感じ。 |
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……わかりました。えと、あとは? |
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次のは単純。 近親相姦とか、そういうものを扱っているし性に関しては色々インモラルだから、注意してってこと。 特に、ナミっていうヒロインに関しては、ね。 |
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う…………。……わかりました。 ……主さまが耐えられたってことは、あんまりすごくないんですよね? |
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んー、そうだなあ。 まあ凌辱だとかそういった事じゃないし、平気なんじゃないかな。 |
幕間 | |
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Graphic |
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絵は基4%。知ってる? |
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……たぶん、知ってます。でも、メーカーが違いますよ? |
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ああ、これ同人ゲームなんだよ。 |
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……むかーしの作品なのですか? |
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そうじゃなくて、プロが商業じゃなくて同人でゲームを製作する事があるの。 そういうのはプロ同人って言ったりするんだけど。 だから、同人って言ってもクオリティは凄く高い。この作品に関して言えば、商業よりよっぽど、ね。 |
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へぇー、そうなのですか。 |
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そうなのです。 ……で、絵の方は商業で出している基4%の作品と比較しても遜色無いよ。 立ち絵も一枚絵も非常にクオリティが高いから、ぱっと見で気に入れば絵に関しては何の問題もない。 特に、ナミに関しては個人的にとっても好きなグラだったなあ。 |
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商業と同じって……じゃあどうして同人で出したのでしょう。 |
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さてね。好きなテーマでやりたかったとか、頼まれたとか、色々あるんじゃないのかな。 元々境界が曖昧な業界だしね。 |
幕間 | |
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Sound of Music |
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OP『under the different sky』 ED『』 |
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音楽に関しては言う事無いんだよなあ。 そもそも、使っているのフリー素材だし。 |
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……そこらへんは同人って感じなのですね。 |
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ま、ね。場面ととっても合っていたから、全然気にならなかったけれど。 寧ろ良かったって言うか。 |
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OPとかもフリーなのですか? |
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まさか。そこは流石に作っているよ。 ……まあ、そんなに印象に残らないものではあるのだけれど。 伝奇で田舎っていうテーマだからどうしても地味になるんだよねえ。 |
幕間 | |
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Character |
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キャラはとっても少ない。 何より主人公しか男が登場しないしね。 |
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…………小規模な作品だからですよね? |
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そう。だから決してハーレム的な感じではない。 だからその表情は止めてくれないかなこのちゃん。 自分で言ったコトバをまるで信用していないでしょう、あなた。 |
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……そんなことないです。 それより! キャラクターはどうだったのですか! |
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ん。ヒロインは元気いっぱいなカナタと正反対な感じのナミの二人。 その他にカナタの母親と主人公の先輩で推理役の霧香。 |
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……ホントに少ないのですね。 |
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そうだね。まあ話としてはこれ以上要らない感じだから、充分なんだけど。 まあそれはそれとしてキャラだね。 ええとね、この中で一番問題があるのはナミなんだよ。 |
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……さっき一番好きみたいなことをいってませんでしたか? |
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キャラとしてはね。でも背景が問題がある。 |
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背景? |
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そ。ナミはさっき指摘した 「シナリオ的に曖昧で説明が不十分だけどこれ以上書き様のない部分」 に深く関わって来るキャラなんだ。 だからナミも同じように、存在そのものが非常に曖昧で説明しようとすると矛盾点がボロボロ出てくる。 やれば分かると思うけれど、特に血縁の問題とかね。 |
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……むぅ。そんな説明不十分なキャラが好きってことは……やっぱり外見ですか。 |
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まあ否定はしない。初めて見た時ガッツポーズしたし。 |
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……。 |
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あだだだだだだだっ!? |
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…………で、どれですかそのナミってキャラの絵は。 |
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ふーっ、ふーっ! ……これ。 |
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……! 白髪。……紗綾さんですか。 |
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もう推理が直列回路になってるよ! 髪の色がそれなだけでしょう!? 紗綾とは全然関係無いって! そもそも顔の内容的にはこのちゃんに近いし! |
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……ならいいです。 じゃあ、さっさとやってしまいましょー! |
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はいはい……って、だから何で一緒に。 |
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いつもそうじゃないですか。 |
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いつもではないけど……まあそうだけど。 でも今日のは、なんかやっぱり違う気がする。 具体的に言うとこわ―― |
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(きっ!) |
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すみませんでした。 |
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わかればいいです。 |
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……でも、怖いから一緒にやってって言った方が可愛いのになあ。 |
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………………主さま。 |
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うん? |
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わたし、鳩サブレー怖いです! おそろしいです! |
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……じゃあ今度からこのちゃん、鳩サブレ要らないね。 |
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!? ま、待ってください! 主さま――――!? |
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ひとこと。 |
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ヒロインの名前が母親だと嫌だよね。 ……僕の場合はモデルだから余計になんだけど。 |