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タイトル | airy[F]airy |
ブランド | RococoWorks |
発売日 | 2010年01月29日 |
ジャンル | ファンタジックラブストーリーADV |
対応OS | WindowsXP/Vista |
価格 | 8800円 |
中古相場 | ゲーム博物館(仮) へ |
原画 | 笛 |
シナリオ | J-MENT |
音楽 | M.U.T.S. MusicStudio |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
作品あらすじを表示/非表示
ネミの村――アリシアの森にある大きな神木。
その枝には、年に一度だけ聖霊の光が宿る。 そして古来より、『聖霊の下で愛を誓い合った男女は、末永く幸せに暮らせる』と言われてきた。 ――サンタリキアの復活祭。 今年もまた、そう呼ばれる祭りがやってくる。 村の青年エルモはその準備に追われながらも、 身近な人々との交流の中、『自身の生き方』を見つめ直そうとしていた。 |
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ヒロイン紹介 | |
ヘレン・フォルト(杏子御津) メシーナの湖畔で倒れていたところをエルモによって発見された女の子。 のちに村長であるガスパーレの遠縁と分かり、ネミの村で暮らすようになる。 本人曰く、『サンタリキアのお祭り』を見に来たというのだが―― |
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コレット・マレ(五行なずな) ネミの村に住む、エルモの幼なじみ。 病気がちで身体が弱く、外に出るときは車椅子を利用することが多い。 小さな妖精たち (ハラペーニョ&タベルノ)がなついている。 |
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モニカ・ラング(黒崎猫) エルモの養父――アルマンドを訪ね、ネミの村までやって来た大道芸人の女の子。 背の高い帽子がトレードマークで、なかなか外そうとしない。 ロバのハムと、お猿のチェリーを連れている。 |
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サラ・デュラン(悠木舞) アルバーノの街に住む、領主デュラン家の一人娘。 幼少の頃、湖のほとりに倒れていたエルモを助け、家に連れて帰った。 しかし、それ以降は母の教えもあって、表向きエルモとは疎遠気味になる。 |
購入動機 『絵師買い。』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
5/10 | 6/10 | 3/10 | 6/10 | 10/10 | 10/10 | 8/10 | 9/10 |
お気に入りキャラ コレット |
序 | |
諠主様、いらっしゃいますかー? | |
『いらっしゃいますかー?』 | |
……返事が無いね。居ないのかしら。 | |
『でも、言葉様がいらっしゃるって言ってたよね?』 | |
そうよね……。……こそっと覗くくらいなら、赦されるわよね? | |
『え、えっと……。……多分』 | |
そうだよねっ! ……では。…………って諠主様!? | |
『ななななななななになになに!? 何があったのお姉ちゃん!』 | |
……あれ? 寝てるのかな? | |
『……寝てるだけ?』 | |
……多分。 | |
『多分?』 | |
……机に伏してる。パソコンつけっぱなしで。 | |
『…………寝落ちって言うんだっけ?』 | |
そうなのかな。……あれ? 何か落ちて―― | |
それにさわるなああああああああああああああああああ!! | |
きゃあああああああああああああああああああああああ!! | |
『(解読不能)』 | |
暗転 | |
すみませんでした。 | |
いえそんな、頭を上げてください! ちょっとびっくりしただけですから! | |
『び、びっくりしたよう……』 | |
正直、寝ぼけてた! ごめんね、螢。 | |
『い、いえ。私こそ大げさでごめんなさい! ……あの、だから頭を上げてくださいませんか?』 |
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……良いの? | |
むしろ上げなきゃダメです! | |
『はいっ』 | |
じゃあ、うん。……いらっしゃい、葵、螢。 | |
お邪魔しています、諠主さま。 | |
それは良いんだけど……、二人揃って何か用でも? | |
あ、はい。そうなんです。 | |
『御主人様にプレゼントを探していまして……』 | |
プレゼントを? ……ああ、君たちがあいつの所に来た日、そういえば近かったね。 ……でもそれって普通に考えたら貰う側なんじゃ。 |
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それだと、私達の気持ちが治まらないんです。だから何か探していたのですが……。 | |
『えっと、ゲームの方が良いんじゃないかって事になって、 諠主様なら色々知っていると思ってここに来ました』 |
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あー、成程ね。まあ無難な選択かも。 | |
それで、さっきそこにあるものが目に入ったので……。 ……それ、どうかしたんですか? |
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え、あ、うん。これね。さっき終わったばかりなんだけど。 | |
そうなんですか? 御主人様が凄く好きそうな絵柄なので、是非話を伺いたいのですが。 |
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……ん、まあ良いよ。じゃあ二人とも、どうぞお座り。 | |
幕間 | ページジャンプへ戻る |
文章全般について | |
それでは、これはどのようなお話なんですか? | |
どんな話……。……取り敢えずストーリを言う前に設定を言おうか。 | |
勿論良いですけど、何か理由があるんですか? | |
んー。理由って言うか設定から説明した方が分かりやすいからかな。 ファンタジーものって独自な設定が多いからね。これも例に漏れず。 |
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成程。ではその、独自な設定、というのは? | |
先ず、世界には妖精が存在するということかな。 だから町には人と妖精が共存するの。 |
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はい。……時に、姿形は? | |
大体、人とは違うんだけど定まったものは無いかな。犬の顏をした先生とかもいれば、 ただの白い玉みたいなのもいる。 その白い玉みたいなのは、年に一度、アリシアの森の神木に集まって、 大変綺麗な光景になるらしい。人はその日をお祭りにしているんだ。 |
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集まるって、何故? | |
妖精界に帰る為、らしいよ。 | |
らしい? | |
妖精界についてはよく分かってないんだ。 だから、「多分帰っているんだろう」程度かな。 |
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……また曖昧ですね。 | |
ん。まあそんなこと世界中の誰も分かんないしね。当事者は喋らないし。 もう一つの設定としては、「火曜の墓守」かな。 |
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「火曜の墓守」? | |
うん。何かって言うと、曜日を守っている人が存在するんだ。 | |
曜日……? すみません、よく分からないのですが。 | |
んっとねー。 それぞれ、七曜を守る人がいて、誰だかわからない対戦相手とゲームをするの。 勝つと妖精界と人間界を繋ぐ門の調節が出来る上に、相手に質問が出来る。 |
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負けると? | |
曜日を失う。現に、主人公の世界では土曜日が無いの。 | |
……土曜日が無い? なら、もう一度再編成すれば良いと思うのですが。 | |
まあそうなんだけど、でも土曜が無くなったという事実は変わらないでしょう? だから、他の曜日がなくならないように自戒の意味で敢えて抜かしているみたい。 |
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……ふむ。その曜日が全部無くなると、どうなるのですか? | |
さて。消滅してしまうのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 | |
……さっきから思っていましたが、曖昧ですね。 もしかして、真面目に読んでなかったのですか? |
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いや、読んでたよ。ただ、これ以上の事は明らかにならないの。 そして、それがこの作品のシナリオの全てを物語っているね。 |
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……シナリオが曖昧って事ですか? | |
それもある。ただ、こういう風に設定はあるし謎も多いけれど、 それを主人公が解決する訳じゃないっていう事かな。だから分からないまま。 |
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主人公なのに問題を解決しない訳ですか。 | |
っていうか、この主人公は「世界の謎を解明する」主人公じゃないっていうだけ。 火曜の墓守だけど、普通に恋愛して、ちょっと世界の謎を垣間見る程度。 「あの人に会いたい!」って思っていても、会えるとは限らないでしょう? 何でもかんでも全て解決するとは限らないっていう典型例というか。 |
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それでは、話としてはそれはそれで、ありという感じなのですね? | |
いや、ダメだと思うな。先ず、主人公が関わっている部分まで解決しない事がある。 それはリアリティとかそういう問題以前に物語として失格なんだよ。 |
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……何だか凄く厳しいですね。 | |
……期待していたんだよねえ。 まあ取り敢えず、作品の根幹で主人公も関わっているのに、 全体像が見えないし解決もしない。しかもシナリオが尻切れトンボ。 そういう、シナリオだよ。 |
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…………諠主様がこのシナリオを嫌っているということは、よくわかりました。 | |
嫌っている訳じゃないんだけど……、 良い雰囲気なのに全く生かせていないのは、凄く惜しいと思った。それだけだよ。 |
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ふむ。わかりました。雰囲気は良いんですね? | |
ま、ね。だから設定気にせずに恋愛だけ見たい人は、良いのかもね。 ちょっと行動が子供っぽ過ぎるヒロインが多いから恋愛もそれに準じた感じだけど。 |
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ふむ……。そういう部分以外に、何かありますか? | |
そういう部分以外に? っていうとシナリオの出来不出来以外かな。 そうだね……一応、メインヒロインがいるんだけど、それがまた、ね。 |
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と、言いますと? | |
じゃあこの絵の中で、どれがメインヒロインだと思う? | |
……この黒髪ですか? | |
ああ、これだとそう思うか。 出逢い方的には水色の、設定的にはピンク色のヒロインがメインっぽい感じなんだよ。 でも、違うの。実はこの紫の髪の子がメインヒロインなの。 |
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……なんでそれが分かるのですか? | |
このキャラが、True扱いだから。 この子以外のヒロインのシナリオを見ないと入れないの。 |
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ふむふむ。じゃあそのシナリオで問題が解け……つはしないんでしたね。 ……あれ? それじゃあどういうシナリオになっているんですか? |
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どうも何も、他のヒロインと分量も内容も似たような物。 何故True扱いにしたのか全く分からない。 何で一番目立たないこの子をメインヒロインにしたのかも全く分からない。 |
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……それは何とも。残念ですね。 | |
ホントに。 個人的に一番どうでもいいと思っていたヒロインがメインなだけでもあれなのに、 そのシナリオが他と大差無いなんてね。遺憾としか言いようが無いよ。 |
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……時に。螢はさっきから何で喋らないの? | |
『…………二人とも、話すのが早くて追いつけないよぅ。』 | |
幕間 | |
イラストなどについて | |
……ちょっとゆっくり喋ろうね。 ええと、シナリオはもうあんなもんで良いでしょう? |
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はい。……あれ以上聞いても、何も生まれない感じがしましたし。 | |
『うん……。』 | |
じゃあ、平和に絵について。これは逆に褒める部分しか無いしね。 | |
『そうなのですか?』 | |
ん。原画は笛っていう人で、この人の絵柄は何て言うかこう | |
柔らかいですね。とても温かい感じがします。 | |
……そうなんだよ。でね、その温かい雰囲気が | |
『なんだか、絵本とか童話みたいな優しさがあります。』 | |
……ねー。そうだねー。 | |
……どうかしましたか? | |
『す、すごく落ち込んで見えます。』 | |
いや、そんなことないよー。因みに作画崩壊は無いから、ホントに絵は満点だね。 ……僕から言える事はもう無いよ。 |
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幕間 | ページジャンプへ戻る |
音楽、歌などについて | |
OP『mirto』 ED『誓いの夜、はじまりの朝』 | |
ええええええと、音楽! 音楽はどうなんですか!? | |
『そうですっ、音楽は私達分からないです!』 | |
……そうだなあ。OPは後で聴いてもらうとして、音楽はそれこそ絵の通りだよ。 長閑な田舎、まさにそんな感じの曲ばかり。ちょっと明るい田舎。 雰囲気にとてもあっていると思うな。 |
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……あれ、確か戦いの場面とかもあるんじゃなかったですか? | |
ああ、そういう場面はやっぱりシリアスな曲になるよ。 それもかなりリズムの速い曲で、やっぱり雰囲気が出てる。 ……だというのにシナリオは |
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諠主様! 音楽はわかりましたから次に行きましょう次っ! | |
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キャラクターについて | |
『キャラクターについて全然聞いてないですけど、どうなのですか?』 | |
そうだね。「シナリオがダメならキャラで楽しむんじゃっ!」って御主人様も仰ってましたし。 どうだったのですか? キャラクターは。 |
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よくぞ聞いてくれました二人とも!! | |
ひぃ!? | |
『きゃぁ!?』 | |
……あ、ごめん。ちょっとテンションが上がっちゃった。 | |
それは良いのですけど…………キャラクターは良いのですか? その反応だと。 | |
うん。まあキャラデザが良いから、というのもあるんだけどね。 | |
ふむ。諠主様のお気に入りはどれですか? | |
えっとね、この黒髪と、このピンクの。 | |
……あれ? | |
どうかした? | |
『……あの、言葉様が諠主様の事を』 | |
それは忘れてください。早急に。 | |
『わ、わかりました。』 | |
そ、それで諠主様、その二人はどんなキャラなのですか? | |
えっとね。黒髪の方はモニカっていうんだけど、旅の大道芸人。 ピンクの方はコレットって言って、まあ幼なじみかな。 どっちもやや気が強いタイプ。 |
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……諠主様にしては、珍しいですね? | |
そうかな? ……まあ確かにそうかも。 | |
他の二人は、ダメなんですか? | |
ダメって訳じゃないけど……、水色髪のヘレンは、倒れていたのを主人公が助けるんだよ。 その村の人じゃなくて、村長の親戚でお祭りを見に来たって言うけどよくわからない子。 |
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さっき仰ってましたが、なんとなくメインヒロインみたいですね。 | |
でしょう? でも違うんだよねえ。シナリオも凄く薄っぺらかったし。 | |
この紫の子が、メインなんですよね? | |
そう。サラね。領主の娘で、主人公とは過去に色々あったんだけど……。 | |
『色々、ですか?』 | |
そう、色々。まあネタバレになるから言わないけれど。 | |
……でも、じゃあきちんとメインヒロインたる理由はあるのでは? | |
…………そうだけど。でもそれがわかるの個別シナリオだし。 それにあからさまにヘレンがメインっぽかったしさ。 何より、共通シナリオだと全然パッとしないし。サラ。 |
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ふむ。しかし御主人様はあれなので、多分大丈夫かと。 | |
ああ、そうだね。……君達を引き取った理由もそうじゃないと良いけど。 | |
……それは多分、大丈夫です。 | |
『はい。そんな理由じゃないです。』 | |
ん、そうだね。 ところで二人とも、これをあげるのは止めようとか思わない訳? |
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……そうですね。でもこれにしましょう。 | |
え、なんでまた。 | |
御主人様は、凄く、不遇なんです。 元々の月讀尊ですら神話に殆ど出てこられていないのに。 |
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『だから、物語の主人公じゃなくっても、私達が居ますよって。そう、言いたいです。』 | |
何より、私達を救ってくださったのは、御主人様なんですから。 私達にとっては、立派な主人公です。きっと、この作品のヒロインも、主人公をそう思ってます。 |
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……いいなあ。二人ともうちに欲しいくらいだ。 | |
…………ふーん。 | |
ひぃ!? | |
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ひとこと | |
EDの壮大さが、本当にもったいなかった。 | |