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タイトル | CAFE SOURIRE |
ブランド | CUFFS |
発売日 | 2011年06月24日 |
ジャンル | 恋愛ADV |
対応OS | WindowsXP/Vista/7 |
価格 | 8800円 |
中古相場 | ゲーム博物館(仮)へ |
原画 | ☆画野朗、なつめえり、えれっと |
シナリオ | 大三元、秋月ひろ、志村那由多、群田真雪 |
音楽 | Peak A Soul+ |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
作品あらすじを表示/非表示
夏休み――退屈な授業ばかりの学校から解放され、 みんな浮かれて海へ山へと遊びに出かける中…… 真一はひとり退屈そうな顔をしていた。 父親の再婚話が進んでいたり、 昔ちょっと気まずい思いをした兄や幼なじみが同居することになっても、それはささいなこと。 一瞬彼の心に細波を立てたとしても、 すぐに忘れる――忘れたふりができる程度のもの。 そう考えていた。 だけどこの夏、彼はお節介な友人だちと 喫茶店で他愛もない時間を過ごし…… これまでよりほんの一歩踏み込んだ付き合いをした結果、 忘れていた『何か』を取り戻していく。 止まっていた時計の針が動き出すような感覚、 ずっとつぼみのまま開かなかった花が咲くような瞬間が訪れる。 |
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ヒロイン紹介 | |
荻原杏子(森保しほ) 真一が幼かった頃、近所に住んでいた同い年の女の子。 小学校に上がる直前に家庭の事情で遠方に引っ越して行ってしまい、 以来真一との親交も途絶えていた。 しかし、やはり家庭の事情により、西村家の居候、と言う形で帰ってくることになる。 幼い頃はよく泣く分よく笑う、といった元気で明るい少女だったが、 現在はきわめて気弱で引っ込み思案な上、常におどおどしている。 そのため、誰に対しても数歩引いたようなぎこちない態度を見せ、 特に再会した真一に対しては、なぜかその傾向が顕著に現れている。 |
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水島芹花(澤田なつ) 杏子とほぼ入れ違いで西村家の隣に引っ越して来た水島家の次女。 数年前に父を亡くしており、現在は母が一人、姉が一人の母子家庭。 母が、花屋『すずらん』を営んでいる。 小柄で華奢な、どちらかと言えば頼りなく見られそうな容姿に似合わず、 明るく元気で前向きな、そしてやや攻撃的な性格の持ち主。 真一との関係も傍目には対等な家族といった風ではなく、 積極的な芹花が受け身な真一を尻に敷くような格好になっている。 |
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水島香澄(夏野こおり) 穏やかで心優しい、そして控えめな性格の持ち主。 大人しい気質ながら芯の通ったしっかり者な面も持ち合わせており、 父亡き後は、家事や家業の手伝いをすることで母を支えてきた。 そうした状況に、生来の性格から来る人当たりの良さ、清廉な内面を反映するかのように整った、 可憐で女性的な容姿も相まって、今ではすっかり、『すずらん』の看板娘として定着している。 昔から芹花と真一の世話を任される事が多かったことから、 現在も変わらず真一のことを弟のように扱い、可愛がっている。 しかし、真一への態度にはいささか極端すぎるようなところも見られ、 妹の芹花からは事あるごとに「甘すぎ」と駄目出しをされているのだが、 改善される様子は見られず、 年々その甘さに磨きが掛かっているような節すらある。 |
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雪下美百合(西野みく) 真一の同級生。夏休みに入って程なくSOURIREに来店し、以来通い詰めるようになる。 すれ違った人間が思わず振り返ってしまうほどの美少女。 涼しげで端正な顔立ちに微笑を称え、落ち着きのある立ち振る舞いをし、 一見すると深窓の令嬢といった風でもある。 しかし実際に接してみると、 礼儀正しいながら思いのほか茶目っ気があり、また異様に人懐っこい。 単なる店員と客の関係に過ぎなかったはずの真一に対しても 最初から積極的に挨拶をし、話しかけて来ようとする。 中でも杏子とは抜群の相性の良さを見せ、 真一が彼女との関係で四苦八苦しているのを尻目に、 同姓という利点と持ち前の人懐っこさとを駆使して、さっさと仲良くなってしまう。 |
購入動機 『CUFFSの新作という事で』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
6/10 | 5/10 | 6/10 | 5/10 | 7/10 | 8/10 | 8/10 | 5/10 |
お気に入りキャラ 雪下美百合 |
序 | |
ふふー。主さまー。 | |
……このちゃんはいつ見ても幸せそうだよねぇ。 | |
んぅ? いきなりどうしたのですか? | |
や、このちゃんってなんだか基本的に笑ってる気がして。 | |
……そうですか? | |
うん。まあ元々そういう顔なのかもしれないけど。 | |
…………さりげなくひどいことをいわれた気がします。 そんなにへらへらしているように見えますか? わたし。 |
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別にへらへらしている訳じゃないけれど……。 悩み事とか無さそうだよねぇ。 |
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……悩みの種がなにをいっているのですか。 | |
うん? | |
なんでもないです。 それよりもなんなのですか、いきなり。 |
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いや、笑顔って言っても色々あるんだよなあってちょっと思ってね。 | |
ほぇ? | |
心の底から笑うのと、愛想笑いは同じ笑顔でも違うでしょう? | |
それは、そうです。 | |
でも同じように笑顔って単語でひとくくりに出来るじゃない。 | |
それも、そうです。 | |
それって、詐欺だよね。 | |
……はい? | |
笑顔ですって言ったら、普通は機嫌が良いことを思い浮かべるでしょう? でも愛想笑いの方を指して言っていたら、 間違ってはいないのだけど、優しくないよね。説明として。 |
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……むぅ。たしかに、そうですけど。 …………って、だからいきなりなんなのですかっ! |
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文章全般について | |
ゲームのお話ならゲームのお話って、最初からいってくださいっ! てっきり主さまが変になったのかと思いました。 |
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いや、ごめんごめん。 | |
もう……。それで、その笑顔が鍵のゲームが、これですか。 | |
そう。『CafeSourire』。 | |
……どこかで見たことがあるような気がします。 …………あ、これって主さまが好きなブランドですよね? |
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おお、よく覚えていたね。偉い偉い。 | |
ふふー、主さまのことですからっ! それで、この絵ってことはシナリオも主さまが好きなライターさんですよねっ! |
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………………………………。 | |
……あ、あれ、主さま? あの、どうかしましたか? | |
……出てないんだよ。 | |
はい? | |
トノイケは参加して無いのっ!! | |
ひゃうっ!? ……ご、ごめんなさい。 | |
ああうん、こっちこそごめんね。 | |
……でも、どうして違う人なのですか? | |
それはまあ、色々あるんですよ、色々。 詳しくはまた後で、ね。 |
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あぃ、わかりました。 それじゃあ、これはどんなお話なのですか? |
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ん。これはメインとしては『とある女の子の笑顔を取り戻す話』かな。 全体としては『家族』がテーマなのだけれど。 |
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家族、ですか。じゃあきっとほんわかした、優しいお話なのですね。 | |
いや、別に。 | |
ほぇ、そうなのですか? | |
確かにそういう雰囲気ではあるのだけど、それを全然生かしきれていない感じかな。 まず、主人公が決定的にダメ。それと、大人がダメ。まあそれには後で触れようか。 他にも言いたいところはあるんだけど、これは言っちゃいけない気がするから言わない。 |
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なんでですか? | |
トノイケのシナリオとの比較になっちゃうから。 まあそれを覚悟で出しているとは思うのだけど、あまり比較って良くない事だと思うし、ね。 |
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むぅ。でも、そちらの方が主さまが話しやすいのでしたら、良いと思いますけど。 | |
……そうかな。じゃあ、あくまでトノイケのシナリオが好きな僕から見て、 ということを前提にして話すよ? |
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あぃ、わかりました。 | |
まず、主人公がヒロインに優しくない。 | |
じゃあ死んじゃえばいいんです。 | |
極端ですね!? ……まあそれは言い過ぎだとして、これが作品の雰囲気を悪くしている原因だと思うんだ。 |
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……そこまで、ですか? | |
うん。今までの主人公って言うのは、 暗かったり後ろ向きだったりするのだけどヒロインにはとても優しかった。 だからヒロインも幸せそうだったし、主人公とギスギスすることなんて殆ど無かった。 その雰囲気が今作では失われてしまった。それが一番痛かったと思う。 |
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むぅ。主人公の性格でそこまで変わるのですね。 | |
まあ世界観とかヒロインの主人公に対する接し方は大して変わってなかったからね。 だから余計に違和感があったのかもしれない。 |
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えっと、それ以外は? | |
シーンに意味が無い所。 | |
しーん? | |
まあ、エッチな場面だよ。 | |
…………。 | |
そんな目をしないの。 今までは、シナリオに必要不可欠だったんだよ。本当に愛を確かめ合うような感じで。 「ああ、よかったね」って言いたくなるような物ばかりだった。 文章もとってもしっかりしていて、名言は殆どシーンだったりもした。 だけどこれは、違う。ただエッチなだけ。無くても問題が無い。 |
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……それは、全然違いますね。 | |
全然違うよ。シーンにもきちんと意味があるってことを分からせてくれたメーカーだったのに。 それは個人的には凄く残念だった。 |
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むぅ。……えっと、それくらいですか? | |
んー、比較って意味では、そうかな。言いたいことはまだあるけど。 | |
ほぇ? | |
これのヒロインね、みんな幼なじみなの。 | |
……めずらしいですね。 | |
でしょ? だけどそんな感じは全然しないんだ。悪い意味で。 幼なじみ設定を生かせてないというか。 |
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幼なじみ設定、ですか? | |
そう。それは「積み重ね」だよ。 | |
……積み重ね。 | |
そう。伏線、というわけじゃないんだけど、 こういう作品は過去から現在に至る積み重ねがシナリオに影響してくると思うんだ。 だけど、読者がわからない。「実は〜」という展開が多すぎるのかな。 ポンポン新事実が発覚してシナリオの重厚さがまるで無い。 |
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シナリオがうすっぺらいってことですか? | |
そうなるかな。少なくともそう感じる。ただ事実として過去に色々あったと言われても、 実際に何があったのか回想してもらわないと実感できないよ。 杏子……メインヒロインはその辺があったからよかったのだけど、他がちょっと不十分だったかな。 |
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むー。……あれ、そういえば主さま、全然笑顔について出てきませんけど、なんでですか? | |
ああ、そういえばそうだったね。じゃあ少し説明しようか。 この作品のタイトルにある『Sourire』っていうのは『笑顔』って意味なんだ。 笑顔があふれる喫茶店を目指してこの名前にしたらしいんだけどね。 |
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喫茶店? | |
ああ、それも言って無かったか。この作品は喫茶店が舞台なの。主人公の実家だね。 ……で、最初に家族がテーマって言ったでしょう? それがまた複雑でね。 父親と幼なじみの母親が再婚したり、あるいはヒロインの両親が離婚していたりでとても面倒なんだ。 その大人の面倒事で主人公たちはストレスを抱えている。まあ、当たり前だね。 |
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……なんだか、笑顔とはほど遠い気がします。 | |
最終的に問題解決してみんな笑顔を取り戻しました、なら良いと思わない? | |
あ、それなら問題ないですっ! | |
まあ違うのだけどね。 | |
違うのですか!? | |
正確には、違くない。 だけど、こういった複雑な環境下で主人公があれでしょう? ヒロインともギスギスするんだよ。 それは当事者同士だけじゃなくて、ヒロイン全員との問題になる。基本、ハーレム状態だからね。 で、これを無事解決してみんな笑顔! だったら良いのだけど。 |
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……あいそ笑い? | |
というか、解決の仕方が誰かしらの犠牲を要するんだよ。凄く無理矢理だし。 みんな幸せ、じゃなくて誰かが我慢している。そんな感じがするんだ。 だから、『CafeSourire』には確かに笑顔があふれているけれど、それは本当の笑顔なのかなって。 そう思った時に、この登場人物たちが凄く偽善的に思えて、なんかね。 |
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……みんなが幸せって、きっとすごくむずかしいと思います。 それでも、望んじゃうのですか? |
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確かに難しいかもしれない。でも最善は尽くすべきだと思うな。 もっと、一人でも多くの人が本当に笑える未来が、この作品だったら作れたはずだから。 いくらなんでもギスギスし過ぎかな、この作品は。 |
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……もしできるなら、ヒロインたちは本当に幸せだと思います。 ところで主さま、主さまはトノイケさんが好きだからそんな感じですけど、 じゃあトノイケさんを知らない人にはどうなのですか? |
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普通に恋愛ものとして楽しめると思うよ。 やっぱりちょっと主人公や大人の考え方が意味不明な面はあるけど。 でも無難に楽しめるとは思う。ただ、ボクの求めていたものはこれじゃなかった。それだけかな。 |
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イラストなどについて | |
……で、でもでも、イラストは同じ人なんですよね! | |
複数原画だけどね。 | |
あぅ。 | |
ナツメエリは問題無く上手だと思う。きちんとメインと合わせようとしているし。 問題はえれっとかな。普通にイラストを描く分にはとっても上手いのだけれど、ゲームの原画は、ちょっと。 |
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合わなかったのですか? | |
というか、作画崩壊を起こしているというか。元を知っているから、それはちょっと残念。 | |
うにゅぅ……。じゃあ主さまが好きな、えっと、画野朗☆さんでしたっけ? | |
☆の位置が違うっ! | |
ひぅ。……ごめんなさい。 | |
まったく。……☆画野朗は、悪くは無かった。 ただ、ボクの好みとは違う方向に絵柄が変わってしまったというか。 睫毛とかもそうなんだけど、デフォルメされすぎてるっていうのかな。 『Garden』の頃までは良いのだけど、今回はちょっと、ね。 |
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音楽、歌などについて | |
OP『こころの種』 ED『Cafe』 | |
お、音楽も主さまが好きな方ですよねっ! | |
今回はそうでもないけどね。 | |
……ひっく。 | |
なんで泣くの!? | |
らって、ぬしさまがいじわぅするからです。 | |
別に意地悪している訳じゃないのだけれど……、正確に言うと、テキストと合ってなかったのよね。 | |
……てきすとと? | |
そう。良い音楽をテキストが潰しているというと言いすぎかもしれないけれど、 文章のアクが強過ぎて全然目立たなかった。単体で聴くと良い曲は沢山あるのにね。 |
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むぅ。じゃあ、音楽はいいのでしょうか。 | |
んー、ただ、雰囲気が統一されていなかった面はあるかな。 あまり激しい曲はこの作品には合わないと思うのだけど、あるし。 シナリオ同様、ちぐはぐしちゃっている感じ。歌は、良いのだけどね。 |
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キャラクターについて | |
キャラクターは、えっと、……杏子? | |
うん、そのネタで話を全部持って行かれる前に少し言っておこうか。 まず、しっかりした大人がいないこと。これがプレイヤーをイライラさせる一端を担ってる。 |
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……なんでですか? | |
ミスリードするから。主人公たちはまだ幼いから何を言っても赦せる面はある。 でも、その主人公たちの考えを変な方向で肯定したり否定したりするんだよ。だからイライラする。 今迄の作品も絶対的な存在ではなかったけれど、納得できる理由は存在したんだよね。 でも、これには無い。意味が分からない結論がすいすい通っちゃう。 |
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それは、いやですね。読んでいて納得できないときもちわるくなっちゃいそうです。 | |
ん。まあそんな感じ。後は全員が全員『家族』に固執し過ぎているんだよね。 『家族』がテーマと言ったけれど、このちゃんが想像したみたいな良いものじゃなくて、 なんというか、無理矢理家族になって安定しようとしているというか。 |
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落ち付ける場所が欲しいってことですか? | |
そういうこと。さっき大人について触れたけれど、主人公たちの心が休まる場が無いんだよね。 誰に相談しても安心できるわけじゃなし、家は不安定だし。 登場人物全員がそんな感じで、無意識に安心できる場所を求めているのかもしれない。 それが、『家族』だったんだよね。 |
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……そんなの、家族じゃないです。 | |
まあ、家族にも色々あるからね。戸籍上の家族もあれば、他人でも家族以上の人だっている。 ただこの人たちは、家族になればなんでも安心って思っている節はある。 本当に大変なのは、それからなのに。 |
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そんなに安直なものじゃ、ないですよね。 | |
そうだね。 | |
……それで、一番好きなキャラクターは杏子ですか? | |
いいや、圧倒的に美百合。 | |
……ふふー。 | |
あれ、なんで御機嫌? | |
べっつにー、なんでもないでーすっ。 | |
変なの。まあ美百合はピンポイントに好きだったね。一見清楚に見えてそこそこお茶目さんだったり。 主人公の事が盲目的に好きだし、この作品で一番安心できるキャラかもしれない。 |
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ふふー。じゃあ、欠点はないのですね? | |
いや、あるよ。美百合だけじゃなくて全員に共通な欠点が。 | |
……ほぇ? | |
さっき全員幼なじみって言ったでしょう? その割に過去が全然語られなくて薄っぺらく感じるとも。 | |
あい。 | |
だから、愛情が物凄く重く感じるの。結婚とか一生とか、ポンポン出てくるのだけど、凄く重い。 | |
……本当に好きだったら、当たり前な気がします。 | |
だから、その『好き』の部分が、何故って思っちゃうんだよ。 幼なじみだったら今迄の積み重ねを根拠に出来るけど、あまり回想されないし。 だから、何を根拠にこんなに重たい愛情を主人公に向けるんだろうって思っちゃう。 |
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……わたしのは、重たいですか? | |
いいや、別に。積み重ねがあるからね。季節によっては暑いけれど。 | |
……えへー。…………あ、主さま。さっきわたしを幸せそうっていってましたよね? | |
ああうん、言ったね。それが? | |
それは、主さまといると幸せだからです。 だから、わたしのは、純粋混じりっけなしの、心からの笑顔ですっ! |
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……素直なのは良いことだけれど、よく臆面も無く言えるよね、ホント。 | |
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ひとこと。 | |
トノイケ帰ってきてーっ!! | |