バナーなし | |
タイトル | 神樹の館 |
ブランド | Meteor |
発売日 | 2004年09月24日 |
ジャンル | 不思議館ADV |
対応OS | Windows98/Me/2000/XP |
価格 | 8800円 |
中古相場 | 6180円 |
原画 | 雨衣ユイ |
シナリオ | 田中ロミオ、希(サブ) |
音楽 | ZIZZ、ミリオンバンブー |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
民俗学を専攻する大学生の主人公、工月秋成は、卒業論文に必要な資料を探していた。 大学の友人である四ツ谷麻子は、四国の山中にそびえ立つ親類の那越邸、 通称「真珠邸」を工月に紹介し、2人でそこへ赴くことになった。 車で真珠邸にたどり着いた2人は、 館をひとり管理するメイドの知里紫織に迎えられ、案内された書庫で資料を探し始める。 館の住人は紫織の他に3人。 そのうちの2人である双子の少女、斎と伊美は、 外部の人間を警戒してか工月たちに近付こうとせず、もう1人である館の主人にいたっては姿さえ現さない。 館に着いた夜、工月は夢の中で真珠邸の奥に囚われたアルビノの少女に出会う。 そして、2人を館に閉じ込めるように降りしきる雨。 工月は、この不可解な館に知らず足を踏み入れてゆくのだった。 |
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no image | 麻子(小田真ゆみ) 主人公と同じ大学に通う学生。 主人公とは友達以上、恋人未満の関係。 いわゆる世話焼きヒロインタイプで、処女。 しっかりしているように見られやすいが、 意外ともろい部分があり、実は寂しがり屋。 |
no image | 斎・伊美(福元コヒロ) 館の住人の双子。 斎は勉強が苦手で、ドジっ子。 伊美はしっかり者だが、主人公に敵意を見せる。 伊美が斎を守っている、といった構図。二人とも処女。 最初は警戒して主人公に近寄らないが、 外部の人間というのに興味があるらしく、徐々になついていく。 主人公に、館から連れ出してもらうことを願っている。 |
no image | 紫織(ひびきりん) 館の一切を取り仕切っているメイド。 穏やかで優しい性格。書物全般に対して造詣が深い。 昼は淑女、夜は娼婦、といったタイプ。性に関する技術や、 男を喜ばせるテクニックに長けていて、主人公に対しては、 誘惑者の役割。非処女。 |
no image | 竜胆(藤嶋永遠) 謎の住人。 透き通るほどに白い、アルビノの少女。 屋敷の奥で生活しているらしく、普段、顔を出すことは滅多にない。 「神樹の館」の守り神的存在。住人たちの間では、 一種のタブーとして畏れ、敬われている。 彼女の意思ひとつで、館はその姿を変貌させる。 |
購入動機:田中ロミオと聞いて | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
8 | 10 | 10 | 10 | 7 | 6 | 7 | 10 |
お気に入りキャラ:竜胆 |
Prelude | |
ぬっしさまっ! ……あれ? いない……。……ぬーしーさーまー? …………あれ、……なにか、へん……ねむ…………。…………くー。 |
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暗転 | |
……んぅ。…………はっ! わたしなにを!? | |
ここは夢です。 | |
…………おはようございます? | |
ここは夢です。 | |
主さま? あの、わたしいま起き | |
ここは夢です。 | |
……はい。夢です。 | |
んむ。そしてこれが――今、このちゃんがやるべき作品です。 | |
今、どこから出したのですか!? | |
ここは夢です。 | |
……それをいえばなんでも通ると思っていませんか? | |
……ここは夢です。 | |
いま、ちょっと考えましたよね? ね? | |
……後でぎゅってしてあげるから。 | |
夢ですっ! まごうことなき夢です! | |
うんうん、このちゃんが安上がりで助かるよ。 | |
いま、なんて? | |
なんでもないです。はい。 | |
むー。……それで、なんで夢の中でそのゲームをしなきゃダメなのですか? | |
夢の中でしなくちゃいけないわけじゃないけど……。 まあとにかく、僕は今このちゃんにこれを薦めなきゃいけない。そういうものなの。 |
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なんでですか? | |
夢だから。夢の事象全てに理由付けをするなんて、ナンセンスだよ? | |
……夢って便利ですね。 | |
だから色々設定に使われるんだけど。まあそれは良いとして、今はこれだよ。 | |
ひゃっ!? ……だからどこから出したのですかあ!! | |
んー、てのひら? | |
……和菓子、出ますか? | |
はい。 | |
わーいっ。……れも、ふぁそふぉんあいまへんほ? | |
食べながら喋らない。そしてこのちゃんの横にあるものは? | |
……んっ!? ……けほ。ぱ、ぱそこんです。 | |
うんうん、じゃあ問題無いね。 | |
そうですけど……でも、主さまの話を聞きたいです。 これ、どんなのか知らないですし。 |
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ああ、そういえばそうだったね。気が急いでた。じゃ、話しましょうかね。 | |
幕間 | |
Scenario Text | |
主人公の工月秋成は友人の四ツ谷麻子と共に、 山奥にある麻子の親戚の持つ『那越邸』へ車で向かっていました。 |
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なんでですか? | |
那越邸は現在知られている最古の西洋建築物より古い、と思われたから。 民俗学専攻の秋成が卒業論文のネタに使おうとしたの。 |
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…………? | |
ああ、分かんなければ分からなくていいから。 取り敢えず、麻子の親戚持つ古い家に興味があって一緒に行くって分かれば。 |
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はい。 | |
で、向かう途中、豪雨になるんだ。それはもう凄い。 これはもう向かえないかな、と思ったその時、館が見えるの。 なんとか館に入ると、迎えてくれたのはメイドさん。 後館に居たのは、双子の少女と姿を見せない館の主人。 |
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……なんだか、変な構成ですね。 | |
まあ、そうだね。 ……秋成はメイドさんに導かれた書庫で館について調べ始めるんだけど、 初日の夜、ある夢を見るの。 |
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夢? | |
ん。和服を着たアルビノの少女の夢。 そこから段々、館の深みにはまり込んでいく。 |
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……えっと、よくわからないのですが。 | |
うーん、この作品説明しづらいんだよねえ。いわゆる『館もの』ってジャンル。 | |
やかたもの? | |
秋成達は豪雨で山奥の館に閉じ込められちゃうでしょう? あの雨、全然止まないの。つまり館と外界が隔絶するということ。 外界の常識が一切通用しませんよ、という合図。 秋成は館の真実を追い求めるんだけど、様々な不思議な事が起こってそれを邪魔するの。 |
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不思議なこと、ですか? | |
うん。まるで夢の中に居るような、ね。実際夢なのかもしれないけど。 というか、夢って何さって話になる。 |
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……ほぇ? | |
夢って覚めなきゃ夢だと分からないでしょう? 外界との接続が遮断された状況だと覚めたって分かり辛いと思わない? 館は何も変わらない。夢だと思って、目が覚めたらそれも夢で。段々どうでもよくなってきて。 時間が進んでいるのかどうかも分からなくなって、世界の常識が一切通用しなくなる。 段々、もうそれが現実になっちゃったりね。 |
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……それ、こわいです。どうすれば現実に戻れるんですか? | |
館の真実に辿りつけば。だからそれまで、存分に迷いなさいって、そういうゲーム。 | |
…………こわくて、難しそうです。 | |
んー、否定はしない。でもそれよりも「面白い」が勝っていると思うよ。 | |
……面白い、ですか。主さまは面白かったのですね? | |
うん。迷う、という趣旨の通り、バッドエンドを繰り返してTrueシナリオに向かう仕様になっていて、 段々答えに近付いて行ってる感じが良くわかるし、マップ選択式だから本当に「迷う」。 テキストは緻密で読む者を世界に引き込む。いつの間にか自分も館にいるような感覚になるよ。 |
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……ちょっと、面白そうかもしれません。でもこわいの、ヤ、です。 | |
怖い……うーん、暗いからこのちゃんはそう感じるかもしれない。 でもなんだろう。よくわからないけど受け入れられるんだよ、BADエンド。 だから大丈夫だと思うし、何よりBADが物凄くシナリオに生きている作品だと思うから、 「巧さ」という面で是非味わって欲しい作品なんだけどなあ。 |
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う。……でも、難しいんですよね? | |
分かりにくかったり言っている事が難しかったりは、確かにある。 でも大事なことはとても簡単なことなんだよ、このちゃん。 |
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……なんですか? | |
「此の世に生まれた意味をください」 | |
…………余計にわからなくなりました。それが、この作品のテーマなんですか? | |
テーマではないけれど、根幹かな。 それの為に秋成は迷わされる。何度も夢を見ながら、ね。 |
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……むぅ。 | |
あとは……そうだなあ。 この話は洋館を舞台にしているんだけど、その実、とても日本的な感じがする作品だよ。 |
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そうなのですか? | |
うん。脈々と続いている、ということは遡ればそうなるわけだからね。 年中行事や考え方。時代に合わせて外見は変わっても中身は変わらないんだよ。 そのアンバランスさが、また作品を不安定なものにしていて、面白いの。 |
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……んぅーっ! 話を聞いてもぜんぜんわっかんないです! なんだかわけわかんない感じみたいですけど、すっきりするんですか? |
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うん。Trueシナリオでこれ以上ないくらいスッキリすると思うよ。 だからまあ、閉鎖的な感じでミステリアスな空気が嫌いじゃなければ、絶対やって欲しいかな。 このちゃん、別に嫌いじゃないでしょう? |
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……たしかに、嫌いでは、ないです。 | |
じゃ、やって欲しいな。 | |
……んー。 | |
……じゃないと、夢から覚めないかもよ? | |
脅迫!? | |
幕間 | |
Graphic | |
イラストはyuyiって人が描いてる。 さてこのちゃん。このイラストを見てどう思う? |
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あんまり上手くないと思います。 | |
うん、言う時はズバズバ言うよね、あなた。 でもこれはこれで結構味があるイラストだと思うんだけどなあ。 |
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あじ? | |
色遣いとか、色々。この絵だからこの作品が映えている気が、しない? 別の作品の絵に代替して考えると分かると思うんだけど。 |
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……んー、たしかに、他のイラストだとさっき聞いた話にあわない気がします。 | |
でしょう? だからこの作品はこれで良いんだよ。 まあ万人受けはしないだろうけれど、作品の質を追い求めるなら、ね。 |
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幕間 | |
Sound of Music | |
OP『籠の鳥の孤独』 | |
音楽は、最初「えー」って思った。なんだか大仰過ぎる気がしたんだよね。 でも終盤は違った。和風なBGMになると、ここまで合ったBGMは無い、という気分になる。 |
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そんなに合ってましたか? | |
うん。Trueシナリオは段々盛り上がる感じの構成だった、というのもあるんだけど、 それだけじゃない何かが確かにあった。最高の場面で最高のBGMを使っているような感じ。 |
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……館に取り込まれているんじゃないですか? | |
……………………。 | |
幕間 | |
Character | |
この作品で一番酷なのはキャラクター。 だからそこだけは、このちゃんを辛い目に合わせるかもしれない。 |
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どういうことですか? | |
麻子、伊美、斎、紫織、とヒロインが居るんだけど、その全てがTrueシナリオへの布石なの。 様々な答えがある訳じゃなくて、真実へ向かう為の過程。 だからきっと、このちゃんから見たら辛い展開になると思う。 |
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……それでもわたしにすすめるのですか? | |
うん。 | |
どうしてですか? | |
辛いだろうけれど、嫌いにはなれないだろうから。 それくらい最後まで悩み抜いているから。 その描写はとても美しいものだから。知って欲しい。 |
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……たくさん泣いちゃうかもしれませんよ? | |
そういうゲームでは無いけれど……。 | |
泣いちゃうかもしれませんよ? | |
……うん、まあ責任は取りましょう。 | |
ふふー。ところで、ヒロイン全員が布石なんですよね? じゃあ最後はどうなるのですか? |
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そこはやってみてのお楽しみでしょう。 | |
むー。じゃあ、主さまが好きなキャラはどれですか? | |
……まあそれは言っても良いかな。 | |
あ、わかったからやっぱりいいです。 | |
……因みにどれ? | |
双子ですよね? | |
違います。 | |
……あ、はい。そういうことにしておきます。 | |
いや、うん。「そういう体で」、とかじゃないから。本当に違うだけだから。 | |
…………じゃあ、どれなのですか。 | |
うわあ急に不機嫌。まあ僕が好きなのは竜胆だよ。 | |
……りんどう? さっきいましたか? そのキャラ。 | |
最初の方に言った、アルビノの少女。物語の中心かな。 | |
さっきも思ったのですが、アルビノってなんですか? | |
色素が無いから白髪赤眼な人。 | |
はくはつ…………。 | |
このちゃんの眼が灼眼に!? いや、「やればわかる」としか言えないけど竜胆は良いキャラだよ! 物凄くずるいとは思うけど! |
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……ずるい? | |
……まあやればわかるよ。 そのよく分からない異能の力はこのちゃんが気に入らなかった時に発揮してください。 |
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……まあ、いいです。ところで主さ――あれ? 主さま? …………また夢演出ですか。そういえば昨晩主さまが寝言でもっと踏んでくださ |
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寝ながら何を呟いているのこのちゃん!? | |
ふぁ!? ……あれ、主さま。 | |
どんな夢を見ていたのさ、まったく。 | |
……ここは夢です? | |
何を寝ぼけた事を。 | |
……ですよね。最後まで聞けなかったからてっきり―― | |
夢に決まっているじゃない。 | |
……そうですか。どうやったら覚めますか? | |
さて。真実に辿りつけば、覚めるかもね。 | |
ですか。じゃあ、やりましょー。 | |
……怖くないの? | |
ほぇ? だって、主さまがいますし。 | |
……そう。 | |
幕間 | |
ひとこと。 | |
存分に、迷ってみては? | |