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タイトル | ソレヨリノ前奏詩 |
ブランド | minori |
発売日 | 2015年02月27日 |
ジャンル | インタラクティブ・ノベル |
対応OS | WindowsVista/7/8 |
価格 | |
中古相場 | |
原画 | sata、柚子奈ひよ、水野早桜 |
シナリオ | 御影、鏡遊、伝野てつ、花見田ひかる |
音楽 | 天門、柳英一朗 |
ボイス | 有 |
FD | 無 |
全年齢版 | 無 |
作品あらすじを表示/非表示
物心ついた頃から、人の感情が読めてしまう少年、宮坂 終。
特に人の多い場所―― たとえば、満員電車では大勢の感情が流れ込んできてしまう。 それは苦痛でしかなかった。 そんなある日、終は同じ車両に乗っている一人の少女を見つける。 「あれ?」 彼女の感情は流れて来ない。 「彼女にだけ意識を集中していれば、他の乗客の感情は流れ込んでこないはず…… 」 しかし、やはり何も感じないままだった。 何度もすれ違う不思議な少女。 いつしか、終は彼女だけを見つめ続けるようになっていた。 だが、同じ学校の生徒なのに名前すら知らない。 「いったい、彼女は…… 」 そして、彼女の心を知りたいと思うようになっていく―― ある夏の日、少女は教室へ向かわず屋上への階段を上がっていった。 「どうしたんだろう?」 終は追いかける。 屋上へ上がると、少女は冷たい目でこちらをみつめていた。 「あの…… 」 少女に声を掛けようとしたその時、遮るように言葉が発せられた。 「私の心には壁があるの。あなたには越えられない」と―― 少女は、終の能力に気づいていたのだ。 感情を読める少年と、心に壁を持つ少女。 ふたりの、ひと夏の思い出は、ここから始まった――。 |
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ヒロイン紹介 | |
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姫野 永遠 主人公(宮坂 終)の同級生。 物静かな性格だが、言いたいことを言うので学校では孤立しがち。 日頃から心を閉ざしており、誰とも親しくしようとしない。 成績もよく優等生だが、身体が弱いという設定で通しており、 あまり授業には出ない。 終の “ 感情を読める能力 ” が通用しない相手。 |
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佐倉井 真響 主人公(宮坂 終)の幼なじみで、クラスメイト。 あけっぴろげな性格で、コミュニケーション力が高いが、 下ネタなどもためらわないのが玉に瑕。 誰とでも仲良くなり、男女を問わずに人気がある。 重度のオタク趣味を抱えているが、 普段はあまり出さないようにしている。 |
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都築 はるか 主人公(宮坂 終)の後輩で、家がお金持ちの令嬢。 病弱でおしとやかながら愛想がよく、男子に人気がある。 その為か、女子には少々妬まれている。 実際は天性の嘘つきで健康優良児。 人を騙すことに喜びを見出している。 嘘自体も自分のメリット・デメリットすら考えていない、 わりとろくでもない性格。 |
購入動機 『minoriということで』 | |||||||
オススメ度 | お気に度 | シナリオ | テキスト | 立ち絵 | 一枚絵 | 音楽 | 雰囲気 |
8/10 | 8/10 | 7/10 | 9/10 | 9/10 | 8/10 | 10/10 | 10/10 |
お気に入りキャラ 姫野永遠 |
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序 |
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ぬっしさまーっ! ……主さま? |
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…………。 |
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もっしもーし? 机で寝ていると後で節々が痛いですよ? |
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……もう痛いよう。 |
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はれ、起きてます。だったらちゃんとお布団で |
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心が、痛いよう。 |
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……はい? 寝ぼけているのですか? おねむでしたら早くこちら……きゃわっ!? |
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ホントさあ、ああいう先が気になって仕方がないのは心の毒だって。ダメだって。結果が気になりすぎて過程を頭にいれるのが大変だしそれどころじゃないっていうかもう永遠がいればそれでいいっていうか |
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わ、わかりました! いえわかんないですけど! とりあえずわかりましたから、とにかく落ち着いてくださあああああああい!! |
数分後 | |
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落ち着きましたか? |
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はい。 |
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なにかいうことはありませんか? |
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突然抱きついたりして本当にすみませんでした。 |
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そこじゃないですっ!! |
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そこじゃないの!? |
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先程からの主さまの発言をわたしなりにまとめたところ、 このゲームに出てくる女のことで心を痛めているとのことですが。 |
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え、ええまあそうですけど。 |
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もちろん、ご説明いただけますよね? |
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え、いやもうちょっとまとめてから |
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今すぐ、ご説明いただけますよね? |
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はい。 |
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文章全般について |
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あるところに、自分より不幸な人間はいない、と思っている主人公・宮坂終がいました。何故なら彼は、生まれながらにして人の感情を読める能力を持っていたからです。 |
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……便利じゃないですか、それ。 |
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いや、相手の感情が読めるって、辛いと思うよ? 顔は笑っていても心では蔑んでいるかもしれない。 便利かもしれないけど、多分誰も信用できなくなるんじゃないかな。 |
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……むぅ。それもそうです。知らない方がいいことって、ありますもんね。 |
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そうそう。 そして、そんな彼が満員電車に乗って苦しんでいたところ、一箇所だけ空白のように感じる場所があった。そこにいたのが |
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件の女ですか。 |
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……いやそうだけどさ。 彼女の名前は姫野永遠。終には彼女の感情だけ、読むことが出来ませんでした。 彼女もまた、他人と自分の感情がわからない、『心の壁』という能力を持っていたからです。 |
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……能力ですか? それ。心の病気なんじゃないですか? |
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そうかもしれないけどさ。 でも能力を持った終にとっては唯一、心が読めない相手だったわけだよ。 それで、お互いに興味を持つわけ。誰の感情でもわかる終と、誰の感情もわからない永遠。 そして永遠は終に言う。感情について知るため、一緒に人間観察がしたい、と。 |
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それがお話のはじまりですか? |
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そうだよ。 |
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……主さまがあんな感じになる要素、ありますか? 聞いた感じだと、お互いの欠けたところを補い合って相思相愛、最後は心の壁も壊れてハッピーエンド、ですよね? |
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それだと終に永遠の感情がわかっちゃうんだから終はハッピーじゃなくない? |
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あ。 |
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いや、まあそれは今はいいんだ。 取り敢えず僕なりに順序立てて説明していい? |
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あい。お願いします。 |
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うん。 まず話の導入は今話した通りで、本編は終と永遠の恋愛模様に終始していると言って良い。 構成としては三部構成で、永遠編と呼べる一部、他の二人のヒロイン、真響とはるかの話となる二部、そしてグランドエンディング、永遠編完結編の三部。 |
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……あれ、他にヒロインが出てくるのですか? |
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そうなんだよ。真響は幼なじみで、はるかは後輩なんだけど、きちんとそれぞれシナリオが存在する。 |
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むぅ。てっきりヒロインが一人だけの一本道だと思ったのですが。 |
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いや、一本道だけど。 |
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……はい? |
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だから、一本道なの。一部から三部まで選択肢は真響とはるかのどちらを選ぶかの一回だけ。 ……どったの? 震えて。 |
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だって、一本道ってことは最低でも二回別れる必要がありますよね? そんなのいやです。 |
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……ああ、そういうこと。違うよ。 このちゃんが考えているような、時系列順に一本道なわけじゃなくて、個別ルートをループするの。サブヒロインのシナリオが終わると、初めに戻る。で、二人終えたら三部に進む、という感じかな。わかる? |
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わかりますけど、それっていりますか? だったら最初から一人だけにしたほうが良い気がします。 |
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別に無駄にループしているわけじゃないんだよ。『水月』にしても『神樹の館』にしても、そうだったでしょう? 足りないものがあるから、それを得るまでループし続ける。今回はそれが二人のヒロインのルート、というだけのお話。 |
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つまり、二人のヒロインは永遠の犠牲になったわけですか。 |
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嫌な言い方しますね言葉さん。そのとおりだけど。 でも、僕はTrueシナリオが存在する作品としてはこの形が一番正しいと思うんだ。だからこういう形式を取っているというだけで、物語として洗練されている感じがする。 |
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わたしは、みんな幸せになるお話がそれぞれあったほうが、いいと思いますけど。 ……それで、今のところ主さまがあーなった理由がわからないのですが。 |
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ああ、このちゃんにとっての本題ね。 それには終と永遠の二人が関係している。 |
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主人公とメインヒロインが? でも、カチッと合ってお似合いな感じがしますけど。 |
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僕も最初はそう思ったよ。でも、これは大変な勘違いだった。 正反対である意味似たもの同士、それこそお似合いに感じた二人はその実、終にとって永遠が麻薬であるだけでしかなかった。 |
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……はい? |
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主人公サイド、つまりはプレイヤー目線で見たら、それこそ永遠は理想のヒロインと言っても良い。自分の忌まわしい能力が、彼女にだけは通用しない。彼女といる時だけは、心に何も侵入してこない。要するに、終の視点に立てば立つほど、永遠に依存するわけ。 |
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はあ。まー、わかります。でもいいじゃないですか? 依存。 そういう作品だってたくさんある気がします。 |
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依存っていうのはね、ある種の支配欲なんだよ。自分は頼りたい。誰に? 理想の相手に。 彼女だけはわかってくれる。彼女だけはそばに居てくれる。彼女だけは何処にも行かない。 この作品の導入は、本当に、麻薬のようにプレイヤーの心に侵食してくる。だって、心の底から頼りたい相手がいるんだもの。 |
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なんだか、人を駄目にするソファみたいな感じですね? |
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……それなりに雰囲気を出して喋っていたのが一瞬で溶解した気がするけど、理解しやすければそれでいいです。 |
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ですか。でもでも、やっぱりそんな作品は世の中にたくさんある気がします。 大抵は、主人公に都合がいいヒロインが、主人公を甘やかしますよね? |
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まあそうだけど。でもこの作品はそうじゃない。 永遠にとってみれば、終は他と大差ないんだよ。唯一の違いは、心の壁を壊してくれる可能性がある、というだけ。永遠は壁が壊れることを基本的に望んでいるからね。 |
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…………あれ? |
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おかしな二人でしょう? 結局心の壁がどうなったらお互いに幸せなのかわからない。 |
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……そうですね。どちらかに能力がある限り、どちらかが我慢しなきゃいけない気がします。 |
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だよね。 そんな二人の恋愛模様を、僕は中毒になったように読み進めたよ。だって、自分が心の底から望んだ相手なのに、お互いの幸せを考えたらどう足掻いたって手に入らないんだもの。一見ピッタリハマるのに、どうやっても合わさらないパズルをやっているようで、物凄くやきもきしたさ。 |
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……それは、たしかに心苦しそうです。 |
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もうさ、真響とかはるかとかどうでもいいんだよ。僕は永遠のシナリオが早く見たかったんだよ。僕も幸せになって永遠も幸せにしたかあだだだだだ |
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永遠の相手は主さまじゃなくて終です。終! |
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……いや、うん。それくらい感情移入して読めたってことで。 |
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むぅ。 それで、主さまの望んだものは得られたのですか? |
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望んだ結果は得られたよ。結果だけは。 |
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……なんだか引っかかるいいかたです。 |
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いや、僕としてはさっきの矛盾を見事に解決できる解を期待していたんだけどさ。 |
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ほえ、そうじゃないのですか? |
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なんていうんだろうなあ。 読んでいるうちに、この問題がまるで世界の明暗をわけるもの、というものに感じてくるんだけど、でもこれって結局は終と永遠の恋愛模様なんだよ。だから |
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だから? |
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彼らが納得すればそれが答えだし、逆にどれだけ理に適っていても彼らが納得しなければ答えじゃない。だから確固たる「正解」なんてものは存在しなかったんだ。それに気がついた時、物凄く肩透かしを食らったような感じがしてね。 |
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はあ。でもそれって当たり前のような気がしますけど。 |
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ね。だけどその当たり前を見失う程度に熱中してしまう導入とシナリオが用意されていたし、何より世界観が素晴らしかった。 ビタミン剤を買ったのにえらく効くから麻薬かと思い込んでいたら、思い込んでいただけでやっぱりビタミン剤でした。当たり前なのにね。 |
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な、なんだかよくわかんないですけど、つまらなかったのですか? |
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いや、面白かったよ。序盤から常に疑心暗鬼で物事を進めていたから、最後までハラハラしていたし。 麻薬のような序盤と気が抜けない面白さ、これに関しては一流と言っても良いんじゃないかな。 |
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……でも主さまの話を聞いたら、その気が抜けないというのはなくなりませんか? |
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そうかな? 僕が言っているのは最低限、例えば女衒に売られたりだとか死んだりだとか、そういったことはないよ、というだけだけど。 |
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……他のはあり得るっていうことですか? |
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さてどうでしょう。それはやっぱりプレーしてみないと。 たくさん傷つけてたくさん傷ついて、自分で答えにたどり着かなきゃね。 |
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イラストなどについて |
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イラストは流石のminori、と言いたいところなんだけど。 |
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不満点があるのですか? |
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背景とか塗り方とかキャラクターとか、個別に見ていけば何の問題もないんだよ。 ただ、イラストレーターの絵柄が違いすぎるというか。 |
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あー、そういうのってヤですよね。上手なんですけど、並んでいると変な感じがします。 |
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そうなんだよね。今までの作品は男女で描く人が違ったりそれなりに似ている人が描いていたりしたと思うんだけど、今回はちょっと、という感じ。 あと胸がデカすぎる。 |
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主さまが好きなのはつるんぺたんすとんですもんね。 |
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勝手に決めつけないで!? |
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音楽、歌などについて |
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OP『』 ED『』 |
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音楽は、それはもう素晴らしかったよ。 これがあるから世界観が形成されていると言ってもいいかもしれない。 |
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と、いうことはです。音楽をつけなかったら感動しないってことですか? |
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そこまでは言わないけど、間違いなく印象は違っていただろうね。 |
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ほえー。どんな感じなのですか? |
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基本は大人しめだよ、ピアノとかが多い。やっぱりこの落ち着いた雰囲気が、世界に重厚感を持たせるんだろうね。 |
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キャラクターについて |
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で、問題の永遠についてです。 |
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他のキャラクターの話もしようよ! |
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だって、メインは永遠ですよね? |
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いやそうだけどさ。真響だって良いキャラなんだよ? 天真爛漫な幼なじみ。主人公のこともとても理解していて、それこそ非の打ち所がないくらい完璧なヒロイン。 |
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……でもシナリオはないのですよね? |
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……そうね。だから永遠より真響が好きだと、この作品は本当に辛いものになるかと思う。 でも、彼女のエンディングを用意すると、この作品の根幹が揺らぐ。 |
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作品としての完成度を選ぶか、全てのヒロインの幸せを選ぶか、ですか。それこそ答えはない気がします。 |
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まあ、ヒロインとの関係を優先するなら、Trueシナリオはやめるべきだね。Trueシナリオっていうのは、他のシナリオは間違いってことだから。もっと言うと、様々な犠牲の上にTrueが成り立っている。 |
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むぅ……。むずかしいです。 |
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まあ、ヒロインの話に戻そうか。 最も魅力的なヒロインはやっぱり永遠だったよ。だけど、一番欠陥があったヒロインも、やっぱり永遠だった。 |
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……はい? |
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今日そのセリフ多いねこのちゃん。 |
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主さまがわけわかんないことをいうからですっ! |
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いや、うん。さっき言ったように、永遠はそれはもう素晴らしいヒロインだったよ。主人公以外とは交流せず、主人公が唯一心が安らげる存在。まさしく都合がいい。 |
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なんだか、ヤないいかたです。 |
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わざと言ったんだけどね。この子を自分のものにしたいのか幸せにしたいのか、という葛藤に終始悩まされ続けてオーバーヒートしそうになる。主人公だって、理解者たる永遠の存在を欲していたんだろうし、プレイヤーも感情移入すればきっとそうなると思う。 |
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ある意味、完璧なヒロインなのですね。 で、欠陥ってなんですか? |
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設定上の問題かな。「心の壁」とか言うけどさ。あんまりそう感じないんだよね。壁があるだけで心がない、というわけじゃないのがややこしくしているのかもしれない。 |
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あ、心はあるのですか。てっきり「どういう顔をしたらいいかわからないの」みたいな感じかと思いました。 |
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まあ、そうなるよね。永遠は嫌だと思ったらやらないし、恥ずかしかったら顔が赤くなるし、主人公にネタを振ったりもする。だから馴染みやすいし好きにもなりやすいんだけど、「心の壁」っていう設定がそれ程重要じゃないようにも思えてくる。 |
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はあ。 |
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だから正直、展開についていけない部分が多々あった。だって、「心の壁」についての展開が頂点に達したとき、当人がただの毒舌なクーデレにしか見えないんだもの。 |
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それでも、やっぱり完璧なヒロインなのですか? |
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やっぱり外見って大事だよね。一目惚れすると人は盲目になれる。 |
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結局顔ですか。 |
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いだだだだだ! |
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もう! 大体ですね、そんなに依存したいならわたしにすればいいんです! わたしに! |
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毎回ゲームと現実を一緒に考えちゃうこのちゃんって…… |
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でも、望んでいるから感情移入できるしのめり込めるんですよね? |
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う。 |
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だから、だいじょーぶです。主さまのことなら、ぜんぶ、だいじょーぶです! |
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いや、うん。ありがとう。でも違うんですよ、このちゃん。 依存っていうのは、支配なんだよ。支配は、きっとこのちゃんを幸せにはしないと思うから。 |
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それこそわかっていないのは主さまです! 依存したい主さまも、ゲームでショックを受けちゃう主さまも、全部主さまです! みーんなまとめて、主さまです。それがいーんです! |
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だから、そんなに僕のことばかり考えてないで自分の幸せを―― |
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主さまこそ、わたしはわたしで勝手に幸せになっているんですからもっとわたしを気遣わないで―― |
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……なんて不毛な言い争いをしてるの、二人とも。 |
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紗綾さん! 聞いてください主さまがひどいんです! |
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さーや聞いてよこのちゃんが! |
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はいはい。 |
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ひとこと。 |
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終と永遠の語り合いを『電波系禅問答』と名づけたい。 |
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